ニュース 法律 作成日:2016年5月30日_記事番号:T00064421
知っておこう台湾法台湾において、相続税および贈与税の税率は、「遺産及贈与税法」(遺産および贈与税法)により規定されている。
相続税の税率は、遺産総額の多寡にかかわらず、一律10%の税率とされ、贈与税も贈与総額の多寡にかかわらず、一律10%の税率とされている。
ただし、遺産総額が1,200万台湾元未満の場合、相続税は免除され、また、贈与総額が220万元未満の場合、贈与税は免除される。なお、相続税または贈与税の税額を算定する際には、遺産総額または贈与総額から上記の法定の免除額と控除額を差し引いて算定される。
納税義務者が納付すべき相続税または贈与税が30万台湾元以上であり、かつ納付すべき相続税または贈与税を現金で一括納付することが困難である場合、納税通知書が送達された2カ月以内に、18期に分割して納付することを申請できる。ただし、各期の間隔は2カ月を超えてはならないとされている。よって、納税義務者は最長3年間にわたって相続税および贈与税を分割納付することが可能である。
納税義務者が申告すべき遺産または贈与財産を申告しなかった場合、または実際の額以下を申告した場合、税務当局は納付すべき額の2倍以下の過料を課することができると規定されている。
富の再分配
なお、相続税の目的は、富の過度集中を抑止し、富を再分配することにあると考えられる。また、贈与税は、生前贈与による相続税回避を防止する機能を有するので、相続税の補完的な性質を持つと考えられる。それ故、金額の多寡に関係なく同一の税率を適用する、現行の制度は高額所得者に有利な制度であり、相続税および贈与税の目的に合わないと批判されている。
これに対し、財政部は、台湾の資産家は、資金を海外に移動させるなどのさまざまな手法により相続税を回避しているため、この批判は当たらないとしている。また、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、スウェーデン、香港、シンガポールなど、相続税を廃止した国は多いため、台湾においても相続税の税率を下げなければ国民の資金が海外に流出することは避けられないとしている。
尾上由紀弁護士
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722