ニュース 法律 作成日:2019年10月28日_記事番号:T00086564
知っておこう台湾法日常生活において、隣近所の生活音、ペットの鳴き声、お祭りの爆竹の音などが気になることもあるかと思います。台湾では、このような音の規制に関する法律として、騒音規制法(中国語:「噪音管制法」)、マンション管理条例(中国語:「公寓大廈管理條例」)、社会秩序維持法(中国語:「社會秩序維護法」)などがあります。そして、これらの法律では、騒音の種類により管轄する機関が異なるとされています。
1.警察が管轄する騒音
騒音規制法第6条および社会秩序維持法第72条第3号において、持続性がなく、または測定が容易ではなく、他人の生活の平穏を妨害する音を発している場合、警察が対応するとされています(管理委員会が設置されたマンションを除く)。本条に該当し得る音としては、大声でのけんか、楽器の演奏、ペットの鳴き声などがあります。
2.環境保護主管機関が管轄する騒音
騒音規制法第8条において、各県市政府が公告した時間、地区または場所では、爆竹を鳴らす行為、神事、冠婚葬祭などの民俗活動、動力機械を使用する商業行為、その他各県市政府が公告した行為により、他人の生活環境の平穏を妨害してはならないとされています。
また、同法第9条において、工場、娯楽施設、商業施設、増改築を含む建築工事、拡声器、各県市政府が公告した場所、工事、施設などから発せられる音については、行政院環境保護署(環保署)が定めた騒音規制基準(中国語:「噪音管制標準」)を超過してはならないとされています。
3.建築管理主管機関が管轄する騒音
マンション管理条例第16条第1項では、入居者は大声で騒いではならないとされています。そして、入居者がこの規定に違反した場合、同条第4項により、管理責任者・管理委員会は、これを制止するか、または規約に基づき対応しなければならず、入居者がこれに従わない場合は、県市政府の主管機関に報告できるとされています。
騒音被害に遭った時の注意事項
内政部のウェブサイトでは、騒音被害を受けた場合の注意事項として、1)録音・録画し、証拠を保存する 2)騒音の種類に応じて、関連する主管機関に通報する 3)騒音の張本人と直接衝突することを避けるため、担当者に同行しない──という点が挙げられていますので、参考にしてください。
*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。
福田優二弁護士
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