中央流行疫情指揮中心（中央流行疫情指揮センター）指揮官の陳時中・衛生福利部（衛福部）長は11日、感染経路不明の６人の新型コロナウイルス域内感染確認を受け、「市中感染の段階に入った」と指摘した。防疫レベルは６月８日まで第２段階に引き上げられ、イベントが続々と延期や中止になったほか、ホテルや飲食店の予約キャンセルが相次ぐなど、企業や市民の警戒感が高まった。陳部長は12日午前、近日中に防疫レベルを第３段階に引き上げる可能性があると発言した。中央社電などが伝えた。

陳・衛福部長（左）は12日午前、新型コロナウイルス感染状況は深刻だとして、マスク着用を改めて呼び掛けた（12日＝中央社）

　陳部長は12日午後の記者会見で、今週発生した感染経路不明のクラスターは宜蘭県と新北市の２件に増えたが、まだ防疫レベル第３段階の基準に達していないと説明した。

　防疫レベルは４段階。▽第１段階、輸入症例による散発的な市中感染発生、▽第２段階、感染経路不明の域内感染発生、▽第３段階、１週間に３件以上のクラスター、または１日に10人以上の感染経路不明の域内感染、▽第４段階、14日間に域内感染者数が１日平均100人以上増加し、かつその半数以上が感染経路不明──。

　防疫レベルが第３段階に引き上げられれば、外出時の常時マスク着用が求められ、屋内で５人以上、屋外で10人以上集まることができなくなる。

プロ野球、無観客試合に

　台湾プロ野球リーグ、中華職棒球大聯盟（ＣＰＢＬ）は12日、６月８日まで観客の入場を受け入れない無観客試合とすると発表した。

　交通部は11日、台湾高速鉄路（高鉄）、台湾鉄路（台鉄）、長距離バスなどでの飲食を禁止すると発表した。15日から６月８日まで、高鉄と台鉄の自由席、立ち席の販売を取り消す。端午節（旧暦５月５日、2021年は６月14日）連休も自由席、立ち席を販売しない方向だ。

　台北市政府は、ナイトライフ特殊産業に対する「実聯制」（連絡先など最低限の個人情報を取得し、最大28日間保管）実施状況の検査を強化すると表明した。

　各県市政府は、市政府主催のイベント開催中止や延期を発表したほか、学校の卒業式をオンラインに切り替えたり、卒業旅行を取り消した。

　威秀影城（VIESHOW CINEMAS）など映画館の大手４社は12日より、間隔を空けて着席する「梅花座」方式を導入し、館内での飲食を禁止した。

　歌手のA－Linが14日から予定していたライブ７回を延期するなど、芸能関係のイベントも延期された。

マスク未着用で罰金も

　第２段階の防疫レベルでは、個人は人の多い場所への出入りを自粛し、感染リスクが高い場所では常時マスク着用が必要。注意に従わない場合は、罰金3,000～１万5,000台湾元（約１万1,700～５万8,300円）が科される。

　イベントや集会は、▽社会的距離（ソーシャルディスタンス）の確保またはマスク着用、仕切り板の使用──を行い、▽実聯制、▽検温、▽消毒、▽人の流れの管理、▽総量規制、▽動線の計画──などの防疫措置が取れないならば、開催できない。

　大型のイベントや集会は原則、屋外は１回当たり500人以上、屋内は100人以上の場合、開催できない。▽梅花座、▽実聯制、▽常時マスク着用、▽飲食禁止、──などの防疫計画を地方当局に提出し、認められれば、開催できる。

　営業場所や公共の場所は、▽社会的距離（ソーシャルディスタンス）の確保またはマスク着用、仕切り板の使用──を行い、▽実聯制、▽検温、▽手指消毒、▽清掃・消毒、▽人の流れの管理、▽総量規制、▽動線の計画──などの防疫措置を取らなければならない。防疫措置を取れないなら、営業を停止しなければならない。必要に応じて、レジャー施設や公共の場所に対し休業を求める。

　飲食業は、▽実聯制、▽定期的な清掃と消毒、▽従業員のマスク着用と手洗い、▽利用客の検温と手指消毒、▽取り箸の提供、▽他人と相席の場合、十分な間隔の確保か仕切り板の設置──の防疫措置が必要で、実施できない場合は、利用客のテイクアウトを勧める。

【表】

《新型肺炎》企業向け厳重特殊伝染性肺炎（COVID-19）における持続的な運営ガイドライン ※2020年3月5日公布
https://www.ys-consulting.com.tw/labor/88701.html