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《新型肺炎》第5回、拡張性の高いビジネスは可能か?/台湾


ニュース その他分野 作成日:2021年6月11日_記事番号:T00096667

~集中特別連載~テレワーク中の経営者と考える「新型コロナ後の対策」

《新型肺炎》第5回、拡張性の高いビジネスは可能か?/台湾

 本コラムはコロナで影響を受けている経営者の皆様と一緒にコロナ後の経営について考えてゆく内容となっています。

 今回思考して頂くテーマは「拡張性の高いビジネスの可能性は?」です。

●ビジネスの拡張性

 前々回にご紹介したワイズニュースは労務顧問会員と合わせて「顧客非接触型」+「ストック型」のビジネスです。

 一時は両方合わせて弊社の粗利益の4割を占めるほどでした。

 そのワイズニュースを始めてすぐに気付いたことは「なんと楽なビジネスなのだろう」ということです。(いつも頑張ってニュースを作ってくれている編集部の皆さんゴメンナサイ<(_ _)>)

 弊社のサービスの殆どは「お客様には出来ない何かをしなければならない」ビジネスです。

 それに比べワイズニュースは一度ニュースを作れば一人に配信しても十万人に配信しても「労力」も「コスト」も変わらないのです。

 「これが拡張性の高いビジネスか…」と理論では知っていましたが自社のビジネスとなり初めて実感しました。

 趣味や個人でするのなら拡張性の低いビジネスでも構いませんが、営利事業組織ならば拡張性の高いビジネスの開発無くしては高い成長は望めません。

●拡張の壁

 どんなビジネスでも「拡張の壁」というものが存在します。

 農業は畑の面積以上の栽培はできませんし、製造業なら生産キャパ以上の製品は作れません。

 小売業なら…、建設業なら…、運送業なら…、宿泊業なら…と一般的にはどんな業種にも「拡張の壁」が存在します。

 コンサル業では「コンサル単価」☓「投入時間」☓「コンサルタント数」で売上が決まり「投入時間」と「コンサルタント数」が拡張の壁になります。

 クライアント先で「昨年比売上50%増」などと耳にしていましたが、コンサル業でありえない話です。

 商品や製品を販売するというコンサル業より拡張性の高いビジネスをしているから実現するのです。

 しかし「ワイズニュース」は購読者が居る限り拡張の壁が存在しないのです。

●弊社サービスの拡張性

 一つの企業の中にも複数のタイプの拡張性を持つ場合があります。

 弊社の場合も拡張性の高い、中位、低いビジネスと3つに分けています。

 拡張性の高いビジネスと低いビジネスのベスト3をそれぞれご紹介します。

○拡張性の高いビジネスベスト3

1位:ワイズニュース

2位:クラウドサービス

3位:労務顧問会員

○拡張性の低いビジネスベスト3

1位:アンストラクチャー課題のコンサルティング

2位:戦略立案のリサーチ

3位:オリジナルの委託研修

 それぞれを比較してわかることは「創業当初のビジネスは全て拡張性が低く、後に新規事業として始めたビジネスは拡張性が高い」ということです。

 多くの経営資源を持って台湾市場に参入する場合を除き、一般的には拡張性の低いビジネスから始まることがほとんどです。

 しかし何時までも拡張性の低いビジネスを続けていても不安定ですし、楽はできなく、今回の様な突然の環境変化への対応は難しくなります。

 成功の法則は「拡張性の低いビジネス」から始めて経営資源を蓄えながら「拡張性の高いビジネス」にシフトしてゆくことです。

 少ない経営資源でスタートアップの時から「拡張性の高いビジネス」を探している人を時々お見受けしますが、そんなチャンスは転がっていることは無く、上手くいった人は私は知りません。

●ビジネスの拡張性を高めるには

 拡張性の高いビジネスモデルを構築できれば以下のメリットが得られます。

1.量を売れば売るほど1個当りのコストが減るので安く提供できる。

2.「規模の経済」の競争に持ち込むことで新規参入が難しくなる。

3.追加コストが低いので「お試し」「サンプル提供」が容易になる。

4.多くの顧客との取引になるので、特定の顧客に振り回されずに済む。

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一般的にビジネスの拡張性を高めるには

1.アウトソーシングの活用

2.コモディティー化の推進

3.リースの活用

4.自動化の推進

などが考えられますが、一番効果が高いのは「デジタル技術を活用したビジネスモデルの変革」(デジタル・トランスフォーメーション:以下DX)です。

 

 例えばゴルフのレッスンプロでビジネスの拡張性を考えてみましょう。

 マン・ツー・マンで指導している限りは稼働時間分の売上にしかなりません。

 ゴルフ教室を開くことで、複数の生徒の指導が可能になり、拡張性が高まりますが物理的な拡張の壁があります。

 You Tubeでゴルフレッスン動画を配信し広告収入で稼ぐようにすれば拡張の壁を超えて拡張性が更に高まります。

 書店には店舗面積という「拡張の壁」がありましたが、アマゾンはDXにより拡張の壁を取り払っています。

 え?うちの業界は無理?

 そう一般的に思われている業界こそ知恵を使えば大化けするチャンスです。

 アマゾンの様にDXは業界初でなければ競合に大きなアドバンテージは創れないからです。

Q:現在の業種でより拡張性の高いビジネスモデルに進化させるチャンスはありませんか?

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吉本康志

吉本康志

グループ代表兼ワイズコンサルティング社長

 1991年日本大手コンサルティングファーム駐在員として台湾駐在。1996年に起業、ワイズコンサルティングを設立~現在に至る。創業経営者として自社での実験を通して「必ず成果のあがるコンサルティングの探索」をライフワークに経営戦略、 人事労務、マーケティング戦略、IT活用等多様なコンサルティングで実績をあげている。(言語)日本語◎・中国語△

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