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《新型肺炎》第4回、レベル3延長で今何ができるか?/台湾


ニュース その他分野 作成日:2021年6月9日_記事番号:T00096620

~集中特別連載~テレワーク中の経営者と考える「新型コロナ後の対策」

《新型肺炎》第4回、レベル3延長で今何ができるか?/台湾

 本コラムはコロナで影響を受けている経営者の皆様と一緒にコロナ後の経営について考えてゆく内容となっています。

 今回思考して頂くテーマは「レベル3延長で今何ができるか?」です。

●防疫レベル3延長

 6月7日に防疫レベル3を6月28日まで延長することが発表されました。

 飲食・小売業を含めて数多くの業種で多大な影響が予想されます。

 また政府指導により経営環境が目まぐるしく変わる中「うちはどうしたら良いのだ」とお悩みの方も多いと存じます。

 そこで今回は中長期的な話から一時的に離れて経営者として考える短期的な対策について考えてみます。

 今は正確な情報をいち早く入手し、対応してゆく事しかできないと思われますが本当にそれだけで良いのでしょうか?

 本コラムのテーマである「コロナ後」に向けて経営者として企業として何かできることは無いのでしょうか?

●困っている時に何ができるか? 

 資金が足りなく何も出来ない方は「嵐の過ぎるまで手足を縮め耐え忍ぶ」というのは仕方ありません。

 ただそれ以外の方は「お客様のため」「見込み客のため」「社員のため」「社会のため」に、今だからこそできることはないでしょうか?

 某商社の創業経営者からこんなお話を聞いたことがあります。

 急激な不景気になった時、取引先がうちへの支払いが出来なくて困っていた。

 社員に「社長どうします?」と聞かれた社長はこう答えたそうです。

 「暫くは支払いが滞っても部品を納入を続けなさい、それから顧客の社長さんに資金が必要なら貸しますよと伝えなさい。」

 この言葉を聞いた社員達は驚いて「社長、相手は何時潰れるかもしれないのですよ!」と猛反対しました。

 そこで社長は「うちにはまだ体力が有り、相手が支払えなくても潰れない。それよりも大事な取引先が潰れたら困るだろ?」と答えたそうです。

 そうして取引先達は景気回復後、急成長を遂げ、誰もが知る台湾の大手電子企業達になったそうです。

 苦しい時に助けてもらったお返しかどうかはわかりませんが、その後これらの企業から多くの注文を頂いたそうです。

 こうしてこの商社は取引先の成長と共に成長を遂げたということでした。

 この話を「創業社長だからできた事」とか「この社長は商売の鼻が利くな」などと受け取らないで下さい。

 私はこの社長の人柄を知っていますが、純粋にお客様の為になりたいと考えての言動だったはずです。

●ワイズがレベル3引き上げ以降にしてきたこと

 弊社でもレベル3に引き上げになった5月15日の土曜日から董事会、各部門は何度も「今わが社でできることは」を話し合いを続けてきました。

 今回は普段はあまり意見を言わない社員達も積極的に提案し実行をしてくれています。

 これは普段から社員達に伝えている「仕事ではなく志事」「日本人経営者の応援団」という理念が浸透している証拠だと経営者として嬉しく思っています。

 ではレベル3引き上げ以降ワイズが行なってきた「役に立てること」をご紹介します。(当然全て無料です)

1.在台日系企業に対して

 ①ワイズ董事会で決定したレベル3対策を一般公開

 ②労務顧問会員限定の「コロナ関連労務ニュース」の一般公開

 (警戒レベル4の基本方針、賃金及び運営資金補助金制度、3大資金繰り支援策など)

 ③ニュース会員限定の「新型コロナ関連記事」の一般公開

 ④「緊急ニュース速報」配信回数増加

 ⑤吉本の本コラムの執筆と一般公開

2.在台日本人に対して

 ①チャットニュース速報のご紹介

 ②「駐在員がよく使う飲食店ベスト30」のデリバリー情報調査と公開

3.飲食店に対して

 ①デリバリーの有無と連絡方法を確認し、デリバリー情報で公開

 ②飲食店へデリバリーのPR記事作成の呼びかけと作成サポート

 ③ワイズニュースPDF版の無料配信(6月28日まで掲載状況確認の為)

4.ぐるぽ広告掲載飲食店に対して

 ①短期資金需要の確認と貸し出し

 ②社員にぐるぽ飲食店へのデリバリー利用促進

 現在は上記の通りですが「役に立てること」は日々増えていっています。

●「仕事」と「志事」

 台湾に住む人の多くは、国籍や年齢に関わらず現状に苦しんでいるはずです。

 私は営利目的であるないに関わらず「助けられるものが助ける」のが人間のルールだと思っています。

 特に儒教の文化が残っている台湾では過去には私も何度も助けられる側として感謝してきました。

 今回は過去の努力と関わる全ての皆様のお陰で運良く「助ける側」にいます。

 社員達も通常業務の他に「役に立てること」を実行するため長時間労働や休日出勤をしながら頑張ってくれています。

 「仕事」と考えていたら割の合わない労働時間です。

 軍人は戦争が起これば死ぬ決意が必要です。

 消防士は火事があれば危険でも救出・消火活動をしなければなりません。

 医療関係者は病人がいれば自分の身を顧みず治療しなければなりません。

 情報サービス業の我々は伝えるべき情報が有れば休まずに伝えるのが「志事」なのです。

 皆さん或いは皆さんの会社では「仕事」をしていますか?「志事」をしていますか?

Q:貴社はレベル3延長で何ができますか?

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吉本康志

吉本康志

グループ代表兼ワイズコンサルティング社長

 1991年日本大手コンサルティングファーム駐在員として台湾駐在。1996年に起業、ワイズコンサルティングを設立~現在に至る。創業経営者として自社での実験を通して「必ず成果のあがるコンサルティングの探索」をライフワークに経営戦略、 人事労務、マーケティング戦略、IT活用等多様なコンサルティングで実績をあげている。(言語)日本語◎・中国語△

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