中央流行疫情指揮中心（中央流行疫情指揮センター）は８日午後、新北市板橋区の幼稚園の教諭や園児、保護者などの新型コロナウイルス感染症クラスター（感染者集団）は計23人となり、10人は塩基配列解析の結果、変異ウイルスのデルタ株を確認したと発表した。８日に感染確認を発表した７人のうち、３人は園児の家族と同じ集合住宅の住人だった。指揮センター指揮官の陳時中・衛生福利部（衛福部）長は７日、もし感染拡大を制御できなければ、防疫レベル第３段階（レベル３）に引き上げる選択肢も排除しないと語っていた。中央社電などが伝えた。

　指揮センターは８日、新たにクラスターの域内感染６人と輸入症例１人を発表した。域内感染は、園児と同じ集合住宅の住人で台湾大学医学院附設医院（台大医院）の麻酔看護師など３人のほか、園児の母１人、接触歴のある祖母２人だった。輸入症例は、園児の父でエジプトから８月４日に入境していた。

　新北市板橋区の幼稚園のクラスター発生は、幼稚園教諭の女性（第１万6,129例）と夫（第１万6,128例）の新型コロナ感染が５日に発表され、接触者への検査を実施したことで発覚した。８日までに▽園児９人、▽園児の同居の家族７人、▽接触歴のある家族２人、▽園児の家族と同じ集合住宅の住人３人──の感染確認が発表され、クラスターは計23人となった。

　指揮センターの７日発表によると、教諭の夫（第１万6,128例）接触者の検査で、358人が陰性、633人が検査結果待ちをしている。

　防疫レベル３の条件は、１日に10人以上の感染経路不明の域内感染の確認、または１週間に３件以上のクラスター発生だ。

エバー操縦士とは別件

　デルタ株が確認されたのは、▽教諭の女性（第１万6,129例）、▽夫（第１万6,128例）、▽園児７人、▽園児の保護者１人──の10人だ。指揮センターは、長栄航空（エバー航空）パイロット３人や家族１人から確認されたデルタ株とは、塩基配列が異なると説明した。

　新北市政府衛生局の陳潤秋・局長は７日、８月中旬にエジプトから入境した園児の保護者は、外出制限「居家検疫」期間中のＰＣＲ検査では陰性だったが、その後に発熱の症状が出ていたと指摘していた。

予防の休校相次ぐ

　新北市政府教育局の張明文・局長は８日午前、ＰＣＲ検査で陰性だったことから８日は２校（園）、５クラスが登校を再開しており、８日時点の休校・休園は３校で4,199人と述べた。幼稚園のクラスターの接触者の調査のほか、同幼稚園が違法に安親班（放課後の学童教育施設）を経営し、近隣の小学生が通っていたことから、７日には中学校１校、小学校３校、幼稚園２園、託児所１カ所が予防のために、休校・休園していた。幼稚園のクラスターとは別に、中和区の小学校１校も児童の感染が確認され、休校だった。

新北市と台北市の幼稚園や小学校では、消毒を強化している（７日＝中央社）

　同幼稚園の園児２人のきょうだいが通っていたなどとして、台北市では７日夜までに、幼稚園４園、小学校３校が休校とした。対象は計619人。

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