ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム 会社概要 採用情報 お問い合わせ

コンサルティング リサーチ セミナー 在台日本人にPR 経済ニュース 労務顧問会員

【ワイズリサーチ】新風を吹き込み、台湾工作機械・部品業界が積極的にマーケティングを展開


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2014年7月3日

機械業界 電機機械

【ワイズリサーチ】新風を吹き込み、台湾工作機械・部品業界が積極的にマーケティングを展開

記事番号:T00062663

一. 韓国の経験から学び、 ブランドの国際競争力を確立

 2013年、日本が量的緩和政策を実施してアジア近隣諸国に衝撃を与えていた が、日本の通貨急落による経済効果は徐々に弱まっていた。例としてあげれば、去年は米ドル・韓国ウォン相場が2.8%増、米ドル・日本円相場は22.3%減に変動したが、韓国が441億米ドルの貿 易黒字を出した一方、日本は1,176億米ド ルの貿易赤字となり、日本の通貨切り下 げは韓国の輸出量を押し下げるという考 えを覆した。その原因は、韓国ブランド は国際競争力があり、そして日本の通貨 切り下げによって日本から精密機器やキ ーコンポーネントを輸入している韓国企 業にも有利に働いたからである。

 韓国に学び、台湾工作機械業界は国際競争力を更に向上させるべく、経済部国貿局は2014年に「工作機械・部品統合型マーケティング計画」を打ち出し、台湾 を世界工作機械・部品業界の先導者に成 長させ、産業イメージと国際競争力を確立、主要国市場と新興国市場を開拓しよ うとしている。

二. 世界屈指の工作機械業界

 台湾工作機械業界は分業システムが完備されたサプライチェーンを持ち、そしてコストを低く抑えながら高い品質の製品を納期通りに顧客に提供する能力を備え、フレキシブル製造とカスタムサービスに加え、通常より3倍高い効率で世界中の顧客のニーズに応えている。

 なお、台湾工作機械業界は、▽工作機械産業クラスターが世界1位▽一人当たりの工作機械生産額が世界2位▽一人当たりの工作機械購入額が世界3位▽工作機械輸出額が世界4位▽工作機械生産額が世界6位という実績を持つほか、2年前に台湾製造業界が大規模な海外移転を実行したが、工作機械 業界の企業はほとんど海外へ行かず、台湾 中部で世界屈指のサプライチェーンを形成した。

 ただ、台湾工作機械産業は世界において も一定の地位を保持しているものの、国内 はサイテーションインデックスを重視し過ぎたため、高級人材欠如の問題を抱えていたが、近年は業界と政府の努力および話し合いによって、ようやく転換期を迎えた。
 

三. 国際マーケティングの強化と産業のイメージアップ 

 台湾企業は新興国市場の開拓と国際マーケティングの強化に関して協力を求め、国貿局は今後4年間、毎年1億を投入し、新たなサービス・マーケティングの導入を後押しする。そのほかに、世界市場における台湾工作機械企業の競争力と市場占有率を向上させるため、機構と部品の異なる部分を市場ニーズに応じてカスタムサービスとして提供させる見通しである。産業のイメージアップを図り、記者会見、見本市、技術研究会をマーケティングと結びつけながら、展示会や広告により力をいれ、フェイスブック、ユーチューブ、ツイッターを含むインターネットサービスにも注力していく見通しである。

 これから▽産業の宣伝影像▽海外マスコミの招待▽技術の発表▽海外代理店の資料統合を含む国貿局のマーケティング計画を通じて、台湾工作機械業界の世界宣伝 はより一層向上し、国際企業も台湾工作機 械業界の技術発展を更に把握しやすくなり、台湾企業の海外市場開拓にも繋がる。 

 マレーシアのペナン機械組合の組長も、 台湾工作機械業界の技術を把握するため、 台北国際CNC機械及び製造技術見本市と記者会見を訪れた。マレーシア政府は既に大規模な経済再構築計画を制定し、中小企業の世界中におけるサプライチェーン参入を促進させているため、今後5年間、マレーシア企業は大量の精密機器を購入すると見られている。台湾企業はこの商機を掴むため、マレーシアのニーズに応える工作機 械を提供することで、マレーシアとの協力関係は更に緊密となり、世界舞台の進出にも繋がるだろう。
 

四. 多種少量生産と製造業のサービス化

 これからの世界製造業は多種少量生産とカスタムサービスという方向性の下で発展していくため、変動する市場需要に対応できるように、 台湾企業は任意調整できる能力を備える必要が ある。例としてあげれば、現存の携帯電話はどれも同じようなデザインをしているが、使用者は自分の好きなカバーを装着している。要するに、将来的に業界は顧客に差がつくカスタムサービスを提供する必要がある。

 2013年に開催された欧州国際工作機械展の会期中、台湾工作機械の売上高は、ドイツ、日本に次ぐ3位を獲得したほか、その金額は韓国の2倍にも上り、台湾工作機械の販売額は成長した。75%の台湾工作機械が輸出されているため、業界は世界製造業に適切なソリューションを提供するよう努力しており、現在は付加価値と信頼性の強化を図って生産を向上させている。なお、政界や学界も業界に協力し、顧客の専門とニーズを製品に統合するように、製造業のサービス化を導入させており、こうして経験を積み重ねている台湾工作機械業界は収益を伸ばしている。90%の台湾工作機械企業は台湾中部に集まっており、今年11月に台中に開催される台湾国際工具機展覧会(TMTS)を訪れることで、台湾工作機械・部品業界の現況と発展を更に把握できるだろう。

機械業界-電機機械

2週間無料モニター募集中!

情報セキュリティ資格を取得しています

台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。