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【ワイズリサーチ】航空・宇宙分野における
台湾工作機械産業の現状と課題


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2015年7月30日

機械業界 電機機械

【ワイズリサーチ】航空・宇宙分野における
台湾工作機械産業の現状と課題

記事番号:T00062884

航空・宇宙産業向け工作機械の需要見通し

 市場調査会社、グローバル・インダストリー・アナリスツの統計および予測データによると、航空・宇宙・国防産業向け工作機械の世界市場規模は2010年の103億2,070万米ドルから、13年には141億9,940万米ドルに成長。うちアジア太平洋市場が53.55%(76億430万米ドル)を占め、市場別シェアでは最高となり、これに欧州市場の20.40%(28億9,680万米ドル)、米国市場の10.29%(14億6,160万米ドル)が続いた。なお、同市場は18年には226億9,870万米ドルに成長し、うちアジア太平洋市場が13年比約70%増の128億8,120万米ドルと、シェア56.75%を占めると予測されている。

 また世界2大航空機メーカーの一つ、ボーイング社は、世界市場における今後20年間(2014〜33年)の旅客機の新規需要は3万6,770機に上り、全体として5兆2,000億米ドルの商機が見込めると予測。市場別ではアジア地域での需要が最も旺盛との見方を示している。なお同社のビジネス用ジェット機は2014年、受注量、納入量ともに過去最高を記録したが、このうち中国向け受注量は400機、納入量は155機を上回った。

台湾工作機械メーカーの課題

 航空機の製造においてはエンジンなどの重要部品から機体構造、さらには補修に至るまであらゆる場面で工作機械による加工が必要となるが、構造部品の軽量化、高強度化に伴い、より薄い部品や特殊合金の使用が求められる他、形状も複雑化していることから、加工にはより高い技術力が求められるようになっている。このため航空分野で使用される工作機械は単価の高い高精密製品が多くを占め、主に日本および欧州の工作機械メーカーが市場をリードしている。

 また航空機およびエンジンのサプライチェーンは、▽機体構造に関する主要部品のサプライヤー、Tier1(一次請け)▽搭載機器やモジュールなどサブシステムのサプライヤー、Tier2(二次請け)▽部品サプライヤー、Tier3(三次請け)▽原料サプライヤー、Tier4(四次請け)――と4層に分かれるが、現在、台湾の工作機械メーカーはTier3およびTier4向け供給が大部分を占める。

 台湾の工作機械メーカーは最近、円安の影響からミドル〜ハイエンド製品において強い価格競争圧力を受けており、以前のような価格上の強みを失っている。また、ロー〜ミドルエンド製品においても、中国が工作機械の国産化戦略を進めていることから絶えず市場の縮小に直面している。こういった中、台湾メーカとしては長期的な視野に立った場合、依然として技術力の向上が求められ、制御装置、モーター、主軸、切削工具、冷却システムといった重要部品のコストパフォーマンスを高め、高付加価値製品、および十全な製造ソリューションの提供により、航空・宇宙分野のハイエンド工作機械市場に参入し、競争力向上を図ることを目指すべきと考えられる。

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