ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム 会社概要 採用情報 お問い合わせ

コンサルティング リサーチ セミナー 在台日本人にPR 経済ニュース 労務顧問会員

【ワイズリサーチ】台湾電子・半導体製造装置業界の輸出入状況と企業運営状況——2015年上半期


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2015年8月20日

機械業界 電子・半導体

【ワイズリサーチ】台湾電子・半導体製造装置業界の輸出入状況と企業運営状況——2015年上半期

記事番号:T00062896

一.業界概況

 2015年上半期、国内市場の縮小および為替レートの変動により、台湾電子・半導体製造装置業界の輸入額は、前年同期比17.86%減の473.60億台湾元しか届かず、そのマイナス幅も14年より拡大された。ただ、下半期に、電子業界による調達を相次いで納品するため、同業界の輸入額も引き上げられると予想されている。
 一方、中国電子業界は資本的支出を加速しているだけではなく、中国市場に投資している台湾電子メーカーも、国内から一部の機器設備を調達している。また、台湾電子・半導体製造装置業界に対する日本からの調達も増加しているため、上半期における同業界の輸出額が前年同期比29.90%増の97.22億台湾元にも膨らんだ。なお、下半期にも中国と日本からの調達が引き続き成長する見込みで、同業界の輸出額も共に伸びていくと見られている(表1参照)。

二.輸出入動向
1.輸入状況
 2015年上半期における台湾電子・半導体製造装置業界の主要輸入相手先に関して、上位5位は▽日本▽米国▽オランダ▽シンガポール▽中国――である。うちに、台湾内需の減少により、日本、米国、およびシンガポールとの輸入額が顕著に下落して、それぞれ14年同期比17.86%減の473.60億台湾元、同16.35%減の418.57億台湾元、同34.94%減の122.36億台湾元に衰退した。ただ、オランダおよび中国との輸入額は成長を示して、それぞれ前年同期比20.72%増と14.50%増に伸びた(表2参照)。

2.輸出状況
 2015年上半期における台湾電子・半導体製造装置業界の主要輸出相手先に関して、上位5位は▽中国▽米国▽日本▽香港▽オランダ――である。うちに、中国の需要上昇により、対中国輸出額は14年同期比49.17%増の75.30億台湾元にも急増した。また、日本の同業界に対する部品調達が増加して、対日本輸出額を前年同期比43.64%増にも引き上げた。並びに、対米国輸出額が同1.76%増に伸びて、対香港輸出額が同6.91%減、対オランダ輸出額が同2.44%減である(表3参照)。

三.企業の運営状況
 川下メーカーの投資意欲が低迷しているため、2015年上半期において、台湾電子・半導体製造装置業界は運営が不調しているメーカーが多かった。うちに、半導体製造機器メーカーは、半導体業界による比較的に大きい金額および国内調達の恩恵を受けて、漢民微測科技(エルメス・マイクロビジョン、HMI)、帆宣系統科技(マーケテック・インターナショナル)は連結売上高が14年同期比2割増以上の成長を見せた。
 なお、FPDメーカーに関して、均豪精密工業(ガラント・プレシジョン・マシニング)は日本マイクロニクス(MJC)との技術移転を行っているほか、中国および台湾工場を拡大する計画もあるため、連結売上高が14年同期比40.37%増の15.35億台湾元に伸びた。並び、万潤科技(オールリング・テック)も前年同期比37.40%増の成長を示した。
 収益面について、多くのメーカーは連結売上高の下落のみではなく、為替差損にも直面しているため、15年第1四半期にも連結当期純利益が顕著に減少して、赤字さえも見せた。うちに、帆宣系統科技、広運機械工程(ケンメック・メカニカル・エンジニアリング)、東捷科技(コンテレル・テクノロジー)、恩徳科技(アンダーソン・インダストリアル)が前年同期比八割減以上の衰退を示した。一方、均豪精密工業と徳律科技(テスト・リサーチ、TRI)は14年同期比二割増の成長、高僑自動化科技(テラ・オートテック)、万潤科技は同七割増の成長も達した(表4参照)。
四.中国投資
 台湾電子業界には、コストを考慮して生産ラインを中国に移転したメーカーが多いため、関連製造装置メーカーもそれに応じて中国に工場を設立するようになった。2015年第1四半期に、許可を取得した同業界の中国投資金額は、電子部品業界が14年同期比5.40%減の4.04億米ドルであり、電子・光学製品業界が同26.78%増の2.74億米ドルである。
 全体的に、中国投資は台湾電子業界にとっては魅力があるが、中国電子業界の調達規模の成長が比較的に鈍化しているほか、中国政府が自国の製造装置メーカーを保護しているため、15年第1四半期において、台湾電子・半導体製造装置業界の中国投資は利益の減少または損益になった。うちに、広運機械工程、和椿科技、恩徳科技、漢民微測科技は赤字を示して、志聖科技は62.44%減のマイナス幅を見た。盟立自動化のみが顕著な伸び幅で成長して、そして旺ケイ科技、均豪精密工業、東捷科技、致茂電子、徳律科技は黒字転換を果たした。

機械業界-電子・半導体

2週間無料モニター募集中!

情報セキュリティ資格を取得しています

台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。