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【ワイズリサーチ】2014〜2015年
——台湾電子・半導体製造装置業界の分析と展望


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2015年3月12日

機械業界 電子・半導体

【ワイズリサーチ】2014〜2015年
——台湾電子・半導体製造装置業界の分析と展望

記事番号:T00062803

一.業界概況

1.2014年の状況
 2013年第3四半期以来、台湾電子・半導体製造装置業界は、生産額と売上高の衰退が見えてきたものの、海外注文の成長により、14年第3四半期の生産額は前年同期比1.75%増の142.52億台湾元、売上高は同7.85%増の149.02億台湾元に伸びた。
14年第4四半期の、同業界の内需は依然低迷していたが、機械業界は国産率を向上させるように、一部の機器を国内から調達するようにしており、14年10~11月の同業界の国内販売額は大幅に成長したほか、中国からの注文も引き続き増加しているため、同業界の生産額と売上高は大きな伸びを示した。


2.輸出入状況
 13年第4四半期~14年第1四半期に、台湾電子・半導体製造装置業界は輸入額が成長を示したが、その伸び幅は顕著に縮小し、14年第2四半期の輸入額は顕著に下落したほか、第4四半期の国内機器の国産率の上昇により、輸入機器に対する需要が低下し、輸入額が13年同期比28.12%減の772.43億台湾元に減少した。

 従来、同業界の主要輸出先国は中国であり、中国政府は本土にIC(集積回路)産業のサプライチェーンを形成させようとしているため、同業界に対する需要は増加した。また、▽韓国▽米国▽マレーシア▽ベトナム――などの国からの調達額は大幅に膨らみ、14年第4四半期の台湾電子・半導体製造装置業界の輸出額は、前年同期比25.38%増の110.74億台湾元に達した。


ニ.製品の販売状況

 14年第4四半期から、台湾企業は更に国内機器メーカーから調達するようにし、「電子製造装置・部品」、「半導体製造装置・部品」及び「FPD(フラットパネルディスプレイ」製造装置・部品」の売上高は前年同期より伸び幅が拡大した成長を示し、「未分類その他の電子・半導体製造装置・部品」のみが引き続き衰退を見せた。

1.半導体製造装置・部品業界
 14年Q3に台湾エレクトロニクス業界は設備関連支出を低減したものの、半導体製造装置・部品業界は半導体業界が先端製造プロセスを加速し、一部の機器を国内から調達するようにしているほか、競争も激しくなっているため、売上高がQ2の衰退から抜け出し、前年同期比25.97%増の47.70億台湾元に達した。

2.電子製造装置・部品業界
台湾電子製造装置・部品業界はエレクトロニクス業界が国内から調達するようにしていることの恩恵を受け、売上高は13年同期比13.53%増に伸びた。

3.FPD製造装置・部品業界
台湾FPD業界は運営がすでに好転しており、一部のメーカーは製造プロセス技術の向上を図り、製造関連支出を増やしているため、Q4にFPD製造装置・部品業界売上は顕著に増加した。しかし、韓国と中国との競争により、Q3にFPD業界の設備支出関連がまた保守的になっており、FPD製造装置・部品業界の売上高は、13年同期比0.96%小幅減の28.58億台湾元に止まった。

4.未分類その他の電子・半導体製造装置・部品業界
 国内需要の減少に影響され、未分類その他の電子・半導体製造装置・部品業界の売上高は、13年同期比6.52%減に衰退した。


三.企業の運営状況

 14年以来、台湾電子・半導体製造装置業界はすでに売上高が増加し、特に国産率向上の恩恵により、同業界のメーカーの連結売上高は成長を示し、三聨科技(サン・リィエン)のみが衰退した。収益面から見て、景気回復により、14年第1~第3四半期に、大部分のメーカーの連結当期純利益は成長を示し、その中でも広運機械工程(ケンメック・メカニカル・エンジニアリング)と高僑自動化科技(テラ・オートテック)黒字転換さえも果たした。しかし、一部のメーカーは為替差損により収益が減少し、志聖工業(CSUN)と均豪精密工業(GPM、ガラント・プレシジョン・マシニング)と恩徳科技(アンデソン・グループ)の連結当期純利益は前年同期比2割以上も縮小した。

1.徳律科技
(TRIイノベーション)
徳律科技はアップルのサプライチェーンへの進出を果たしたため、その▽自動光学検査装置(AOI)▽回路基板試験装置(ATE)▽半導体試験装置(ICテスタ)――を含む自動光学検査装置に対する需要が高まり、14年連結売上高は13年比43.72%増の58.70億台湾元に成長した。

2.旺ケイ科技
(MPI、ケイは石へんに夕)
旺ケイ科技はプローブカードが出荷好調であるほか、4K2Kハイビジョンテレビの普及によるLED(発光ダイオード)バックライトに対する需要増、および各国が白熱電球を禁止することにより、同社はLED検査機器の出荷が増加して、14年の売上高が前年同期より37.13%増に膨らんだ。

3.広運機械工程
広運機械工程は▽台北MRTの安全自動ドアの工程▽台湾大学の図書館の自動化本棚機器▽中国パネルメーカーである京東方による物流の注文――により、14年の連結売上高は13年比28.67%増の102.63億台湾元に伸びた。

4.高僑自動化科技
高僑自動化科技の主要製品はマイクロドリルと自動化機器であり、製造業に普及している自動化の恩恵を受け、その運営が成長し、14年の連結売上高は前年より101.78%大幅増さえを記録した。

5.東捷科技
(コンテレル・テクノロジー)
 東捷科技は協力メーカーの群創光電(イノラックス)の資本的支出の拡大の恩恵を受け、14年の連結売上高は13年比20.35%増の36.85億台湾元に伸びた。

6.均豪精密工業
 14年第1四半期は友達光電(AUO)の設備関連支出減の影響により、均豪精密工業の当期連結売上高は良くなかったが、AUOはすでに設備関連支出を増やしているため、14年通年に均豪精密工業の連結売上高は成長した。


四.景気展望

 モバイルデバイスの販売好調とテクノロジーの発展は、▽半導体▽光学部品▽電子機器▽それらの部品――に対する需要が引き上がったため、15年に、台湾電子・半導体製造装置業界は伸び幅が縮小しても、生産額が引き続き伸びると予想されている。一方、国産率の向上により、エレクトロニクス業界は輸入品の代替品として国内メーカーから調達するようにしているほか、中国市場からの注文は増加すると見られているため、15年の同業界の売上高はさらに伸び幅が大きい成長を見せると予測されている。

 また、製品別から見て、15年の台湾国内半導体業界の生産額伸び幅は縮小するが、資本的支出は引き続き増加すると見られているため、電子製造装置・部品業界と半導体製造装置・部品業界の売上高は膨らむと見られている。なお、FPD製造装置業界は中国と韓国から更に激化する競争に直面するが、ニッチであるため、15年には伸び幅が大きい成長を見せると予測されている。しかし、未分類その他の電子・半導体業界のみは、台湾エレクトロニクス業界の需要低迷により、売上高が更に減少する恐れがある。

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