【ワイズリサーチ】台湾半導体設備産業の発展と現状


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2015年5月7日

機械業界 電子・半導体

【ワイズリサーチ】台湾半導体設備産業の発展と現状

記事番号:T00062835

一.低い自国内生産率

 統計によると、台湾半導体産業の2014年生産額は2兆1,000万台湾元で世界全体の21.4%を占めた。カテゴリー別に見ると、台湾の半導体製造およびパッケージング・テスティング(封止・検査)産業は世界シェア1位、IC設計産業は2位となった。一方、SEMI(国際半導体製造装置材料協会)の最新統計(14年7月)によると、同年の世界の半導体設備需要384億米ドルでうち、台湾における需要は全体の30%に相当する112億米ドルとを占め、世界最大市場となった(図1参照)。

 台湾元に換算すると、台湾における2014年の半導体設備需要は3,204億台湾元となるが、台湾半導体設備産業の生産額は612億元で、同製品の自国生産率は19.4%だった。台湾半導体産業全体では優れた実績を残しているものの、製造に必要な設備の国内生産率は欧米や日韓に遠く及ばす、前工程関連設備を手掛ける地場設備メーカーは漢民微測科技(エルメス・マイクロビジョン、HMI)、京鼎精密科技(フォックスセミコン)など数社にとどまり、大部分は市場全体の17.5%を占めるにすぎない後工程の封止・検査用設備を手掛ける状況となっている。

二.台湾半導体設備産業の国際競争力

 台湾における2014年の半導体設備需要は世界全体の30%を占めたが、台湾半導体設備産業の生産額は世界の5.3%に過ぎなかった。これは国内半導体メーカーの大部分が国外メーカーの設備を採用していること、および国内設備メーカーの競争力が海外メーカーに劣っていることを示す。さらに近年、韓国およびシンガーポールなどでは政府が積極的に半導体設備産業を支援しており、台湾政府が対抗策を講じなければ、現在の地位も危ぶまれる事態となっている。

三.課題克服策に向けて

 シェア拡大を目指す海外の大手半導体設備メーカーは近年、世界最大の半導体設備需要を抱える台湾をマーケティングの重点市場としている。さらにコストや輸送上の見地から日本、オランダ、米国の設備メーカーは台湾に製造および研究開発(R&D)拠点を設置すること、または台湾半導体メーカーと協力してサービス効率の向上とコストの抑制を図ることが必須となっている。なおこういった状況は台湾が世界一の半導体設備市場であり続ける限り、今後も持続するとみられる。

 一方、需要面から見ると、製品の価格下落スピード加速とライフサイクルの短縮が進む市場での競争圧力に応じ、サプライチェーンの強化とコスト低減を図る台湾の半導体メーカーが製造設備おいて採用する戦略は大きく分けて、海外の関連設備メーカーの台湾工場誘致、および地場設備メーカーとの共同開発の2つに分かれる。

 台湾メーカーに海外メーカーの保有する技術が欠けている現状の中、台湾政府は国内に半導体サプライチェーン構築するため、海外メーカーが台湾に生産拠点を設置する際の障害を排除し、その上で国内の半導体業者を通じて海外メーカーと地場設備メーカーの提携機会を創出する必要がある。これにより国内に開発人材の育成および技術力の蓄積を図り、台湾半導体設備産業の発展を促し、最終的に国内外で台湾メーカーがシェアを拡大できるようにすべきと考えられる。

四.結論

 世界半導体産業をめぐる環境が劇的に変化する中、台湾半導体設備産業がさらなる発展を目指すには、業界における戦略のトレンドと将来的な展開を見極める必要がある。台湾の産官学各界では現在、半導体産業の十全なサプライチェーンを築くことが競争力に決定的な影響を及ぼすとの考えに至っているものの、台湾半導体設備産業の歴史は米国、オランダ、日本に遠く及ばず、中国メーカーも既に3次元IC(3DIC)関連設備により台湾のサプリチェーン進出を開始している。一方で地場メーカーは確固たる技術的基礎を築けていないため、競争圧力は日増しに高まっている。台湾半導体設備産業の育成はただ企業努力のみに頼ることはできず、初期のファウンドリー産業と同様、政府や公的機関がより多くのリソースや人材を投入し、民間企業と共同で徹底した成長戦略を練り上げるなどより積極的な役割を担うべきと言える。そうしてこそ、台湾に世界レベルの半導体設備メーカーが誕生する可能性が芽生える。

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