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【ワイズリサーチ】台湾3DIC製造設備産業の発展と商機


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2014年11月13日

機械業界 電子・半導体

【ワイズリサーチ】台湾3DIC製造設備産業の発展と商機

記事番号:T00062741

一.3DIC分野における発展は台湾に有利

 半導体製造プロセスの回路線幅微細化技術において、新たなトランジスタ構造やよりハイエンドな設備の開発に要するコストが3次元IC(3DIC)プロセス設備の導入および歩留まり向上に要する技術的コストを上回るようになったことから、業界では関連設備の開発が始まった。3DICにおいては主に後工程でシリコン貫通電極(TSV)、再配線層(RDL)、マイクロバンプといった新たな技術が必要となるが、その技術的方向性や参入条件、半導体産業の川上から川下までの十全なサプライチェーンが構築されていることを考慮すれば、台湾で3DIC技術が発展する可能性は非常に高いと考えられる。

 また3DIC技術の発展は台湾の半導体産業の連帯を深め、技術を国内に根付かせることに有利となると考えられることから、地場の設備メーカーおよび末端メーカーは同技術が成熟を迎える前の段階での研究開発(R&D)に注力しており、今後、台湾全体の設備コストを引き下げ、自前の技術を構築するとともに、台湾における3DICの量産スケジュールを早めるとみられる。

二.3DIC分野における
台湾設備メーカーの商機

 国際半導体製造装置材料協会(SEMI)の統計によると、半導体工場の設置、フォロマスク、シリコンウエハー製造、FEOL/BEOL工程、パッケージング・テスティング(封止・検査)などを含む業界全体の年間売上高は300億米ドルを超えるとされる。

 台湾では上述の産業において毎年、世界の売上高の約30%に当たる100億米ドルの投資が行われており、ここ5年連続で世界最大の半導体設備市場となっている。

 現時点で世界の半導体ハイエンド製造装置市場は、一部の封止・検査装置およびプリント基板(PCB)製造装置を除き、海外メーカーに独占されており、台湾メーカーの大部分はこれら海外メーカーの代理、受託メーカー、組み立てメーカーの地位にある。

 世界の半導体市場で3DIC技術が目覚ましい進歩を見せる現在、関連する末端メーカーが量産化実現のために必要とするコスト(製造装置、原材料)は著しく低下している。特にファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)では従来のCoWoS(チップ・オン・ウエハー・オン・サブストレート)パッケージに加え、集積ファンアウト型パッケージ(INFO)技術を開発し、量産に向けたコスト低減を実現している。

 また半導体ハイエンド製造プロセスとは異なり、3DIC技術の線幅はマイクロメートル水準にあるため、台湾の設備メーカーにとって開発能力の対応範囲内にあり、今後、海外メーカーの独占状況を打破できる可能性がある。

 半導体製造装置市場全体の10%シェアを奪取すれば、300億台湾元に上る商機を獲得できること、および3DIC技術の需要は将来性が高いことを考慮すれば、政府と産業界、学術界が足並みを揃えてブルーオーシャンの開拓に乗り出すことは有意義と考えられる。

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