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【ワイズリサーチ】台湾電子・半導体製造装置業界の
産業分析と未来動向——2014年上半期



リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2014年8月21日

機械業界 電子・半導体

【ワイズリサーチ】台湾電子・半導体製造装置業界の
産業分析と未来動向——2014年上半期


記事番号:T00062691

一.業界の現状

 2013年以降、台湾エレクトロニクス業界は資本支出を拡大したが、拡大された分は主に輸入品に充てられていたため、国内電子・半導体製造装置業界はその恩恵を受けることなく、13年第3四半期からはその資本支出の拡大も落ち着いてきている上、中国からの需要も著しく落ち込んでおり、同業界の生産額と売上高は後退を続けた。

 2014年第1四半期、パネル産業は経済好転によって増益し、製造装置に対する需要も増加して、台湾電子・半導体製造装置業界の生産額と売上高は、前年同期に比べてマイナス幅が縮小し、それぞれ2.32%減の129.18億台湾元と0.75%減の123.77億台湾元にとどまった。ただ、14年以降世界自動車業界、航空宇宙業界、医療業界、IT業界は好況となっており、エレクトロニクス業界の資本支出拡大も同業界に好影響を与えているほか、海外からの調達も大幅に増加しているため、第2四半期における同業界の生産額と売上高は前年より増加した。(図1参照)


二.製品の販売状況

 2014年第1四半期、台湾電子・半導体製造装置業界製品の大半は売上高が引続き減少したが、そのマイナス幅は縮小されてきている。運営が好転した国内パネルメーカーは製造プロセスの改善を図って設備関連支出を増やしたため、同業界の「FPD(フラットパネルディスプレイ製造装置)」売上高は、13年同期比4.12%小幅減の22.55億台湾元にとどまった。並びに、「電子部品製造装置・部品」の売上高は同1.43%減の28.56億台湾元、「未分類その他の電子・半導体製造装置・部品」は同9.17%減の33.03億台湾元に減少した。

 それに対して、先進製造プロセスの加速および競争の白熱化により、13年第3四半期を除いて、13年から「半導体製造装置・部品」の売上高は、10%増を上回る成長率を見せ、14年第1四半期の売上高も前年同期比10.56%増の39.63億台湾元となった。(表1参照)


三.業界の輸出入状況

 2013年下半期から、半導体業界が積極的に余剰在庫消化を行いながら資本的支出を削減していることを受けて、14年第2四半期に台湾電子・半導体製造装置業界の輸入額は大きく減少して、13年同期比18.70%減の844.90億台湾元に縮小した。

 それに対して、同業界の主力輸出相手国である中国は、本土サプライチェーンを構築する為に同業界に対する調達を増やし、そして韓国、米国、マレーシア、ベトナムからの調達も増加しているため、2014年第2四半期に同業界の輸出額は、前年同期比8.12%増の101.32億台湾元に成長した。(図2参照)

四.企業の運営状況

 14年第1四半期に、台湾電子・半導体製造装置業界全体の売上高は衰退が続いていたが、第2四半期では既に成長を記録し、14年上半期において大半のメーカーは連結売上高を伸ばし、揚博科技(AMPOC)、致茂電子(クロマ)、恩徳科技(アンデーソン)のみが連結売上高を下落させた。

▽志聖科技(CSUN)
LCD(液晶ディスプレイ)とLED(発光ダイオード)の受注により、14年上半期における志聖科技の連結売上高は前年同期比11.24%増の18.93億台湾元に成長したが、為替差損により、14年第1四半期における当期純利益は13年比48.79%大幅減となった。

▽徳律科技(TRI)
徳律科技はフォックスコンの汚職事件に影響されて受注が減少し、2013年の連結売上高は12年比26.26%減にも転落したが、アップルのサプライチェーンへの参入を果たしたため、同社に対する▽自動光学検査装置(AOI)▽回路基板試験装置(ATE)▽半導体試験装置(ICテスタ)——を含む製品の需要が高まっており、14年上半期に同社の連結売上高は、13年比18.63%増の18.56億台湾元に伸びた。

▽東捷科技(コンテレル)
東捷科技は長期にわたって群創光電(イノラックス)と戦略的提携を行っており、そしてイノラックスによる資本支出拡大の恩恵を受けて、14年上半期に連結売上高が前年同期比33.39%大幅増の18.68億台湾元に上昇し、14年第1四半期における当期純利益も13年比79.21%増に急増した。

▽均豪精密工業(GPM)
14年第1四半期における友達科技(AUO)による設備関連支出の削減に影響され、均豪精密工業の当期純利益が13年同期比90.32%減にも下落して、上半期の連結売上高は前年と比べて僅か0.22%増となる10.94億台湾元にとどまった。

▽広運機械工程(ケンメック)
台北MRTの自動ドア、台湾大学図書館の自動書架、中国パネルメーカーである京東方科技の物流設備などの注文を受け、14年上半期における広運機械工程の連結売上高は前年比33.20%増の52.05億台湾元に成長したほか、14年第1四半期には黒字転換も果たした。


五、今後の動向

 2014年における台湾民間固定資本形成は安定して成長しており、そのうちエレクトロニクス産業の投資総額が最も多いほか、上半期における台湾半導体産業の成長率は、再び過去最高を記録して、前年同期比11.09%増となった。なお、14年における世界半導体製造装置の市場規模は、12〜13年と続いた二年間の衰退を抜け出して394.60億米ドルに成長すると予想されるほか、中国エレクトロニクス産業の台頭は台湾電子・半導体製造装置業界にも好影響を与えているため、14年下半期における同業界の輸出額は成長傾向を示している。

 また、世界中の先導企業は資本集約型の研究開発(R&D)を通じて、その地位を固める傾向がさらに顕著になっているため、2014年に同業界の「半導体製造装置・部品」の売上高は更に成長すると見られ、そして「電子部品製造装置・部品」、「FPD製造装置・部品」、「未分類その他の電子・半導体製造装置・部品」も、台湾エレクトロニクス産業による資本支出拡大および海外からの調達増の恩恵を受け、売上高はさらに増加すると見込まれている。

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