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【ワイズリサーチ】2014年世界半導体市場と業界の設備投資


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2014年10月16日

機械業界 電子・半導体

【ワイズリサーチ】2014年世界半導体市場と業界の設備投資

記事番号:T00062725

一.世界半導体市場の動向

 国際通貨基金(IMF)は2014年の世界の経済成長率を前年を上回る3.6%と予測しており、そのうち中国の成長率は7.5%を維持するとみている。また先進国も深刻な低迷から力強い回復を見せており、特に米国の今年の成長率は2.8%と先進国で最も高くなる見通しだ。さらにIMFは2015年の世界の経済成長率が3.6%に上昇すると予測している。

 こういった中、米市場調査会社ICインサイツの予測によると、2014年の世界半導体市場規模は、スマートフォン、タブレット端末、カーエレクトロニクスといった分野の好調に恩恵を受け、前年比7.4%増の3,494億米ドルへと成長すると見込まれる(表1)。このうちロジックIC市場の規模が最大で、半導体市場全体の34.9%を占めるとみられる。また今年、高成長率が予測されるのは▽アナログIC(9%)▽光電部品(7%)▽センサー(同)――となっている。

 さらに、モノのインターネット(IoT)、ウエアラブル(装着型)端末、スマートウォッチ、カーエレ、医療・遠隔介護といった新たな応用先市場では引き続き成長が見込まれることから、2015年も半導体産業は好況が期待できそうだ。一方、メモリー市場については短期的には不安定な状況が続くが、長期的に見れば徐々に軌道修正が進むとみられている。



二.台湾半導体産業の2014年設備投資

 SEMI(国際半導体製造装置材料協会)の統計によると、製造プロセスの先進化、メモリー産業における生産能力拡充を受け、半導体産業の設備投資は年々増加傾向にある。2014年も世界的に安定して景気回復が進む中、世界各地で末端市場の消費力が徐々に上向くと見込まれる他、モバイル端末およびIoT関連分野の需要の高まりから半導体先進技術への投資が促され、半導体設備市場規模は約384億米ドルと前年比20%を超える成長が見込まれている。そんな中、台湾半導体産業の14年設備投資額は約116億米ドルに上り、過去数年にわたり継続している世界首位の座を今年も維持するとみられる。

 なお台湾のファウンドリー最大手メーカーの2014年資本支出は115億米ドルに上ると予測され、その一部は8インチ/12インチウエハー工場における特殊プロセスのアップグレードやセンサー、フラッシュメモリ内蔵マイクロコントローラ(MCU)などウエアラブル(装着型)端末関連、および指紋認証(iPhone)、微小機械電子システム(MEMS)、CMOSイメージセンサー、カーエレ(電源管理IC)などの分野における商機獲得向けに振り向けられる見通しだ。さらに台湾半導体産業の2015年設備投資額は123億米ドルまで成長し、依然アジア、欧米各国を上回るとみられる(表2)。


三.今後の見通し

 2014年の台湾半導体産業の生産額は好景気を反映し、初めて2兆台湾元を突破する見通しだ。現時点で、一部ファウンドリーの8インチおよび12インチ工場で生産能力が非常にひっ迫し、供給不足となっているため、短期間でIoTが急速な発展を遂げる可能性は低い。ただ中長期的に見ると、今後は世界中でIoT関連端末が急速に増加するとみられるため、同分野の将来性は高いと考えられる。なお近年、中国大陸では政府が半導体産業の育成を強力に進めていることから生産能力が拡大しており、このことから同国政府が10〜12年にわたる同産業の発展を好感していることがうかがえる。

 世界経済の景気回復が半導体市場の成長や高水準の資本支出を促し、さらに新たな応用先市場の急速な発展、および新興国経済における力強い3C(コンピュータ、通信、家電)製品需要といったプラス要因に支えられ、世界の半導体市場は成長を持続すると考えられる。また同時に設備投資も高い水準を維持するとみられ、台湾における半導体設備の現地調達率向上に貢献すると見込まれる。現在、台湾半導体産業における設備および消耗部品の現地調達率は、前工程に比べ後工程で高くなっている(表3)。

機械業界-電子・半導体

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