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【ワイズリサーチ】台湾二輪車および部品製造業の動向と市場概況


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2015年10月29日

機械業界 自動車・二輪車

【ワイズリサーチ】台湾二輪車および部品製造業の動向と市場概況

記事番号:T00062936

市場概況
 2015年上半期における台湾二輪車および部品産業の販売額は、前年同期比で小幅減少となった。しかし自動車および部品産業の販売額が減少したこと、さらに船舶およびその他運送機械産業の販売額が大幅減となったため、本産業が輸送機械および部品産業の総生産額に占める割合は小幅ながら成長した(表1参照)。

1.二輪車製造業
 台湾では二輪車を通勤手段とする人が多いため、労働市場の改善は台湾二輪車の売り上げ向上に繋がる。2015年第2四半期は失業率が改善したため、台湾市場における販売量は前年同期比1.39%増と小幅成長した。また平均販売価格が上昇したことにより、販売額も同7.22%増となった。海外市場については、15年以降ユーロ安と円安が進み、欧州連合(EU)と日本で経済低迷が続いていることから、15年第2四半期における輸出量は大幅減少した。このような外需減少の影響を受け、15年第2四半期における台湾二輪車製造業の生産台数は、23万8,400台(前年同期比6.13%減)、生産額は131億8,600万台湾元(同2.59%減)、販売台数は23万7,200台(同6.12%減)、販売額は131億1,400万台湾元(同2.50%減)となった(表2参照)。

 2015年第3四半期は前期からの景気低迷が続くと見込まれるが、台湾区車両工業同業公会(車両公会)の資料によると、15年7~8月の台湾市場における二輪車販売量は前年同期比9.10%増であった。これは一部メーカーの在庫消化が順調であったことに加えて、新型車種の発売があったためだ。第3四半期は台湾市場における平均販売価格は上昇する見通しだが、外需低迷により台湾二輪車産業の生産量、販売量の前期比成長率は低下傾向が続くだろう。ただし台湾元安を受けて、輸出額(台湾元で計算)は回復する見通しだ。そのため本産業の生産額、販売額も小幅ながら成長すると見込まれている。

 台湾市場での販売について、2015年第2四半期は自動車市場の不振により一部の消費者が二輪車の購入を選択したため、販売量はやや成長した。このうち125cc、150cc車種の販売量はいずれも前年同期比で成長し、とくに150cc車種は同18.50%増となった。その他車種については三陽工業(SYM)の新型「ウルフSB300」発売が販売量をけん引し、同5.76%増となった。ただし110cc以下車種の販売量はいずれも減少が続いており、とくに100cc車種の減少幅が最も大きくなっている。

 海外市場での販売について、車両公会の統計資料によると台湾二輪車産業の輸出製品には完成品のほか、ノックダウン(KD)生産用部品が含まれる。2015年第2四半期の輸出量は欧州地区からの需要低迷に加えて、中国やベトナムなどアジア市場に対するKD部品の輸出減により、前年同期比4.43%減となった。このうち150cc以上車種の輸出量はすべて大幅減少している。このほか50cc車種は日本からの需要が大きく縮小したため、同29.44%減となった。一方、輸出量が比較的多い125cc車種は強い成長力を維持し、同23.88%増となった。

 輸入額について、台湾二輪車の輸入台数は多くない。しかし大型二輪車を購入する消費者が増えたこと、さらに政府が大型二輪車(250cc以上)の道路通行制限を緩和させたことから大型二輪車レンタル業者による需要が大幅成長し、大型車種の輸入が伸びている。また輸入額増には、2015年に入ってから続いているユーロ安と円安も影響している。これにより、15年第2四半期における台湾二輪車製造業の輸入額は11億700万台湾元で前年同期比31.51%の大幅増となった。

 輸出額については、EUと日本の経済低迷、ユーロ安および円安が続いていることから、台湾二輪車製造業に対する需要は縮小している。一方、米国経済は安定した成長が続いているものの、やはり二輪車に対する輸入需要は大幅に縮小している。これにより、2015年第2四半期における台湾二輪車製造業の輸出額は同21.51%大幅減の37億2,200万台湾元にとどまった(表3参照)。

2.二輪車部品製造業
 台湾二輪車部品製造業は、台湾が主要市場である。行政院財政部の統計資料によると、2015年第2四半期における台湾二輪車整備業の販売額は前年同期比5.16%増の32億4,900万台湾元となった。二輪車の整備頻度が高くなったことで、二輪車整備市場からの部品に対する需要が増加した。しかし一方で、台湾二輪車製造業の生産量が減少したことにより、15年第2四半期における二輪車部品産業の生産額は117億5,100万台湾元(同2.05%減)、販売額は115億4,300万台湾元(同2.24%減)となった。第3四半期も台湾二輪車の生産量は減少し、外需も低迷する見通しであることから、本産業の生産額、販売額の減少が続くと見られる(表4参照)。


 輸入額について、2015年第2四半期における台湾二輪車の販売額は減少したものの、円安の影響を受けて日本からの二輪車部品の輸入が増加した。同時に大型二輪車の輸入量も増加したことが、二輪車部品産業の輸入成長の追い風となった。これにより15年第2四半期における輸入額は43億2,100万台湾元で、前年同期比22.67%増となった。主要輸入相手国上位5カ国とその輸入割合は、順に∇日本、41.69%∇中国(香港、マカオを除く)、27.80%∇マレーシア、9.64%∇インドネシア、4.29%∇米国、3.64%――で、これら上位5カ国の合計は87.06%である。このうち、日本、マレーシアおよびインドネシアからの輸入額はいずれも前年同期比で2割を超える成長となった。

 輸出額について、2015年に入ってから欧州、米国、日本などの先進国家における二輪車市場は低迷しており、台湾二輪車部品産業にもその影響が及んでいる。このため15年第2四半期における輸出額は124億2,800万台湾元で、前年同期比6.29%減となった(表5参照)。輸出相手国上位5カ国とその輸出割合は、順に∇米国、19.26%∇中国(香港、マカオを除く)、11.72%∇ドイツ、10.61%∇オランダ、7.09%∇イタリア、6.18%――で、これら上位5カ国の合計は54.85%である。このうち、中国とオランダに対する輸出額は前年同期比で小幅成長したが、その他の国への輸出額はすべて減少した。

 全体的に見ると、2015年第2四半期における台湾二輪車製造業の販売量、販売額は外需縮小の影響を受けてそろって衰退した。二輪車部品産業も内需低迷の影響を受けて、販売額が減少している。これにより15年第2四半期における本産業全体の販売額は同2.38%減の246億5,700万台湾元となった。第3四半期の見通しは、二輪車製造業の販売額は小幅成長する見通しだが、二輪車部品産業は低迷が続くと予想されており、本産業全体の販売額は前年同期比で小幅減となる見込みだ。

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