リサーチ

記事番号:T00063609
2016年4月18日17:16

一、主要メーカーの運営状況
主要メーカー2015年1〜8月連結売上高は明暗を分ける。上半期連結当期純利益は前年同期比増加傾向
 各メーカーは公共施設および民間設備の受注による収益認識の進捗状況が一致しないため、2015年1〜8月主要メーカーの連結売上高は前年同期比二極化の傾向を示した。原材料価格の下落、輸出割合の増加により出荷構造に変化が生じ、各メーカーの15年上半期における連結売上高の前年同期比は増加し、連帯的に連結税前純利益も増加した。ただ大同(Tatung)の連結財務諸表において華映(CPTT)、緑能(GET)および尚志(TFC)などの投資先は不調で、加えて14年における重電事業の受注縮減は15年の業績に影響を与えたため、15年1〜8月の連結売上高は同15.96%減で、上半期の連結税前純利益はマイナス31億9,600万台湾元の赤字となり、主要メーカーの中では、運営状況はやや悪い結果となった(表1参照)。

 東元電機(TECO)は北米地区がシェールオイル採掘需要縮減、中国およびオーストラリア鉱業の需要縮減などの影響によりモーターの販売が低迷し、青島圧縮機の廃業を受け、2015年1〜8月の売上高は前年同期比12.81%減で、上半期の連結税前純利益は28.19%減となった。  中興電工(CHEM)は精密機械および燃料電池などの新規業務の開拓は不調のため、同社が2015年1〜8月における連結売上高は同7.52%減となった。また、営業費用の増加により、上半期の連結税前純利益は同7.88%減となった。

  士林電機(シリン・エレクトロニクス&エンジニアリング)および華城電機(フォーチュン・エレクトリック)は輸出額増加の恩恵を受け、2015年1〜8月の連結売上高はそれぞれ前年同期比1.91%増、15.14%増の成長を見せ、高粗利益率製品の出荷規模が成長したことにより、上半期連結税前純利益はそれぞれ前年同期比2.54%増、12.27%増となった。
 亜力電機(AEC)は重電製品を業務の重心とし、台湾電力(TPC)入札金額の回復および比較対象となる数値が低いため、2015年1〜8月連結売上高は同17.37%増で、上半期の連結税前純利益も同361.10%増と一線を画する良い結果を見せた。

二、主要メーカー動向
1.士林電機
 士林電機は仰徳グループに所属し、重電製品、工業コントローラー、低圧スイッチ、自動車電装製品、産業設備、デジタル映像製品を主要業務としている。同社は日本の三菱電機、ダイヤモンド電機、オムロンと技術提携の長期契約を締結し、中国およびベトナムに生産拠点を設置、日本の完成車製造メーカーに製品を供給している。中国地区の生産能力を引上げるため、士林電機は260万ドルを増資し、蘇州高新区で敷地面積100アールの工場を設置した。低圧コンデンサ、機械用コンデンサ、センサー、コントローラーおよびインバーターなどの生産を中心とし、2016年上半期より稼働する予定だ。士林電機が生産する重電製品の輸出先は主にアメリカ大陸及び東南アジアで、スイッチ類の製品は主に東南アジア、中東および中国を輸出先とし、電装製品は主に欧米、中国を輸出先としている。
 大型二輪車、バギー用電装品、変圧器および低圧スイッチの輸出額が増加した恩恵を受け、同社の2015年上半期における連結売上高は同0.54%増の97億1,800万台湾元となった。また、製品販売割合の改善や原材料価格の下落により、粗利益率が上昇し、連結売上高は同7.02%増となった。しかし、法人税による支出増加の影響を受け、15年上半期存続単位の当期純利益は同0.13%減の6億5,500万台湾元にとどまった(表2参照)。

2.華城電機
 華城電機は台湾の主要電力設備製造メーカーの一つであり、2014年において各製品の販売割合はそれぞれ▽変圧器(69.88%)▽配電盤(8.62%)▽工事請負(8.12%)▽配電機材(1.15%)▽電力販売(0.27%)▽その他(11.96%)ーーである。14年において、電力変圧器は台湾全体販売額の35%を占め、輸出額の70%以上を占めている。配電変圧器は台湾全体販売額の18%を占め、輸出額の30%以上を占めている。また、高低圧配電盤も台湾全体販売額の10%を占めている。
  華城はDCブラシレスモーター扇風機の制御モジュール、スマート電力メーター、低騒音変圧器、充電スタンドなどの新製品の開発計画のうち、充電スタンドは既に完成し、経済部エネルギー局の許可を取得した。2015年に入ってから同社は引続きCE規格にあう充電スタンドの研究開発を進めている。また、同社は再生エネルギー業務を積極的に開発し、14年に永伝能源と提携し、福海洋上風力発電を投資し、陸上変電所および関連工事を請負った。さらに、15年5月に上緯は海洋風力発電に投資し、苗栗竹南の沖で進行する「海洋竹南洋上風力発電計画」における陸上送電システムの受注を受けた。

  華城と日立が設立した合弁会社「日立華城電機変圧器股份有限公司」は2015年5月28日より正式に運営を開始し、大型変圧器(500kV以上)は日立、中小型変圧器(500kV・容量200MVA以上)は日立華城、その他変圧器(容量200MVA以下)は華城より生産する分業体制を建立した。変圧器事業の北米への輸出額が増加し、台湾内部の受注も順序に出荷しているため、同社の15年上半期における連結売上高は前年同期比19.94%増の23億6,600万台湾元となった。また、比較対象となる数値が低いため、存続単位の当期純利益は同89.90%増の1億900万台湾元に達した(表3参照)

3.中興電工
 中興電工は台湾における主要な発電・送電・配電設備製造メーカーであり、同時に駐車場設備の製造、販売および経営管理に従事している。このうち、電力設備はガス絶縁スイッチ(GIS)、変圧器、電力の自動化設備を主要業務としている。同社は唯一台湾生産評価に合格した345kV GIS製造メーカーであり、161kV GISにおいて70%のシェアを占めている。さらに2012年5月28日に経済部エネルギー局より発行した「ガス絶縁スイッチ設備およびガス絶縁ブレーカー製造許可」登録証明を取得した。
 燃料電池の業務について、同社は2014年5月に200万ドルを投入してH2PowerTechを買収し、燃料改質器の関連技術を取得した。また、台湾および中国の生産拠点のほか、インド、インドネシア、タンザニアに燃料電池の生産拠点を設置する予定で、東南アジアおよびアフリカ地区など電力ネットワークの普及が遅れている地区を市場と見据えている。
 再生能源電力業務方面、同社は2015年7月に台湾電力が澎湖における風力発電工事を19億2,000万台湾元で落札し、3メガワット(MW)の大型風力発電機を11台設置する計画だ。しかし、新しい業務の展開は予想より下回っているため、同社の15年上半期における連結売上高は前年同期比5.36%減の45億4,900万台湾元となった。さらに、営業費用が増加した影響を受け、存続単位の当期純利益は同11.80減の2億2,300万台湾元にとどまった(表4参照)。

三、未来の展望
 台湾電力の支出緊縮方針は当産業メーカーの受注にやや影響を与えたものの、幸いにも2015年1月20日に立法院が新しい電気料金を通過させたため後、台湾電力は合理的な利益を取得できる。更に、14〜25年において台湾電力が更新すべき発電設備の発電容量は1,187万9,000kWに達している。電力需要の増加、既存設備更新による電力供給の穴を補填、また15%の待機予備力を維持するため、台湾電力および民間発電所は新しい発電所を設置しなければならない。台湾電力の財務状況が改善された後、提出される発電所設備の入札金額は上昇する見通しだ。また、経済部が積極的に発電所設備の「セット輸出」を推進することにより、台湾電力は台湾の重電メーカーと力を合わせて海外工事の商機を開拓する。一方、日本の電気設備メーカーも積極的に海外の発電設備市場を開拓しているため、日本の重電メーカーと提携関係のあるメーカーは商機を獲得できる見通しだ。世界各国政府はモーターの最低効能基準の上方修正を推進しているうち、欧州連合(EU)、韓国および日本はすでに15年にモーターの最低エネルギー消費効率(MEPS)を国際電気標準会議(IEC)基準のIE3以上に引上げた。中国も16年内にIE3に引上げることを計画している。これによりモーター交換・設備更新の商機は継続するだろう。

 全体から見ると、台湾電力や台湾鉄道などの機関による設備更新、政府及び不動産部門による機電設備受注の好調、エネルギー消費効率の引上げによる需要増加、しかし再生エネルギー産業の規模拡大により、当産業販売額が追い風となったため、16年等産業生産額は前年同期比小幅成長の傾向を見せる見通しだ。

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