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【ワイズリサーチ】2016第1四半期台湾手工具産業の振り返り及び展望


リサーチ 台湾事情 その他 作成日:2016年5月26日

機械業界 手動工具

【ワイズリサーチ】2016第1四半期台湾手工具産業の振り返り及び展望

記事番号:T00064345

一、産業概況


 世界景気低迷が続く影響を受け、2016年第1四半期台湾手工具産業の生産額は前期比6.1%減の147億7,000万台湾元となり、輸出額も同0.6%減の145億8,000万台湾元となった。ただ、輸入額は同5.3%増の11億1,000万台湾元となった(表1参照)。



二、業界の動向


1.天魔手工具(Tengtools)


 大手手工具メーカーのTengtoolsは台湾市場におけるトップシェアを維持するため、ラチェットハンドル、コンビネーションレンチ、ソケットレンチ、ドライバー、ブライヤ、トルクレンチなどのツールセットをリリースし、異なる需要に最適な手工具を提供している。Tengtoolsの製品種類は業界一であり、新製品のコンビネーションレンチは安全性及び利便性を重視し、省力化を実現したほか、狭い空間でも高い作業性を有するため、市場における評価は高い。また、Tengtoolsは400種の専用手工具を生産しており、無期限保証を提供しているほか、国際標準化機構(ISO)、ドイツ工業規格(DIN)など欧州国家の認証を取得している。
2.台湾高品質手工具発展協会成立

 2016年4月27日、台湾高品質手工具発展協会は成立された。同協会のメンバーは原材料サプライヤー(中国鋼鉄・CSC)、製造メーカー(各手工具メーカー)、販売業者(大成国際鋼鉄・Brighton-Best)により構成されている。将来は、関連メーカーと力を合わせて、世界手工具市場のシェア勝ち取りを目指している。

  参加メーカーのうち、大成国際鋼鉄(TCIグループ)は米国で最大規模のステンレス鋼販売ルートの構築に成功した後、8年前成功した電子商取引のビジネスモデルを複製し、金型の販売を主要業務とするBrighton-Bestを設立した。世界中の金型販売ルートに新しい風を吹き込み、製品種類を増やし、販売規模を拡張させ、米国最大のスタンダード金型輸入業者となり、輸出市場、台湾手工具メーカーにとって心強い後ろ盾になるだろう。
3.唯誠実業(whirlpower)
  2015年金手賞を受賞


 ドライバー及びビットの生産を中心とするwhirlpowerは、台湾における経営を固めるため、2003年から自社ブランドで世界市場に進出し、ドイツのケルンで開催されたハードウェアフェアに参加した。特別なデザインを持つコーポレート・アイデンティティ(CI)、製品外見、外装により知名度を上げ、欧州顧客の肯定を獲得し、同業者の注目を集めた。近年は顧客が高品質な手工具に対する需要に対応するため、積極的に製品生産ラインの整合を行い、世界市場において高い評価を得て、台湾製手工具の品質の高さを世界中に示した。


三、第1四半期トピックス

1.2016年中華民国対外貿易発展協会(TAITRA)による輸出競争力強化説明会


  経済部国際貿易局(国貿局)がTAITRAに依頼した「輸出競争力強化説明会」は2016年4月28日台中のエバーグリーンローレルホテルで最終回の説明会が開催された。台中説明会は国貿局の何莉芬組長及びTAITRAの葉明水副秘書長が講演者を担当していた。葉秘書長は「当説明会により、政府が提供できるセールス・リソース及び全体的なマーケティング・サービスをメーカーに知ってもらうほか、当地メーカーの需要に基づき、産業の発展トレンドについて産業分析を行う。」
2.2016年台湾ハードウェア・ショーは下半期において台湾中部で開催される

  第16回台湾ハードウェア・ショーは2016年10月12日から14日に開催される予定だ。▽工具およびアクセサリー▽ロック類▽ファスナー(締め具・留め具)類▽建材▽ガーデニング・アウトドア用品▽自動車メンテナンス用品・アクセサリー▽機械・プラント機器▽セキュリティー用品――の8大展示エリアに500ブースが設置され、国内外から350社を超えるメーカーが展示を行い、メーカー海外市場の開拓・販売ルートの拡張に繋がる見通しだ。台湾中部地域は金物部品製造の集積地となっており、川上〜川下まで綿密な分業制、十全なサプライチェーンが構築されているが、ハードウェア・ショーの会場となる大台中国際エキスポセンターを中心として車で半時間以内の距離に数多くの金属部品、手工具メーカーが存在し、台湾手工具産業重要な生産拠点である。


四、未來展望

 2015年中国経済の成長率は弱まったものの、国際原材料価格の上昇により、低コストの中国製手工具の輸出をけん引した。今後について、欧米・日本の景気は尚も回復の兆しが見られないため、短期的に中国の輸出は伸び悩む見通しだ。また、国際原材料価格上昇の影響を受け、15年に入ってから中国の貿易実績及び成長率は幾度と下方修正された。さらに物価上昇によるデフレが中国の国内消費・投資に打撃を与え、中国経済が低迷する原因となる可能性がある。ただし、中国労働者賃金の上昇及び台湾・中国製品の差別性は尚も大きいため、一部の受注は台湾に流れ込む予測で、16年当産業の景気について、台湾手工具メーカーの多くは楽観視している。

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