【一般公開】ポンプ・コンプレッサー・コック・バルブ製造業の振り返りと未來の展望


リサーチ マーケティング 台湾事情 2016年12月29日

機械業界 ポンプ・コンプレッサー・コック・バルブ

【一般公開】ポンプ・コンプレッサー・コック・バルブ製造業の振り返りと未來の展望

記事番号:T00068257

一、産業概況

 ポンプとバルブは主に石油化学産業と水利産業で使用されている。2016年も世界の経済成長は依然として緩やかであったため米国での設備需要は縮小、欧州および中南米各国による調達も大きく減少した。

  内需市場については、環境保護や公共安全などの問題を受けて、台湾の石油化学メーカーは投資環境の悪化に直面している。また、一部の電子製品メーカーは設備投資の規模拡大を進めているが、一方で従来型製造業各社は投資に対して様子見の姿勢を維持している。台塑集団(台湾プラスチックグループ)は海外投資を拡大し、台湾への投資を縮小する方針を明らかにした。加えて2016年の台湾経済は低迷が続いたため、川下メーカーの投資意欲が低下することとなった。このように内需・外需がそろって減少したため、16年1~9月の台湾ポンプ・コンプレッサー・コック・バルブ製造業の生産額は前年同期比9.43%減の306億9,000万台湾元、販売額は同9.84%減の330億700万台湾元でともに減少した(表1参照)。

 2016年第4四半期の景気については、台湾内需の低迷と米国および原材料生産国での需要減少は続いているが、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)地域での需要は回復の兆しを見せている。このため16年第4四半期の台湾ポンプ・コンプレッサー・コック・バルブ製造業の生産額と販売額は減少傾向が続くものの、減少幅は緩やかになる見通しだ。

  バルブは主に石油化学、発電所、パイプライン、造船などの分野で使用されており、米国と中国が主要市場である。しかし、2016年に入ってから米国と中国からの需要が減少し、16年1~9月の販売額は減少した。バルブ製品のうち、「青銅・黄銅バルブ」の販売額は前年同期比13.02%減の27億8,500万台湾元、「金属製バルブ(青銅・黄銅を除く)」の販売額は同13.79%減の156億7,600万台湾元となった。

  ポンプは主に水処理、石油化学、天然ガス、電力などの産業で使用されている。石油化学メーカーによる需要が大きく減少したことから、2016年1~9月の「その他ポンプ」の販売額は前年同期比10.87%減の8億9,300万台湾元、「液体用ポンプ」の販売額は同1.62%減となった。

  コンプレッサーの販売は台湾内需の縮小、中国経済の成長鈍化、中国製品との競争などの影響を受けた。そのため2016年1~9月の「空気コンプレッサー」の販売額は前年同期比4.07%減の32億2,100万台湾元、「冷媒コンプレッサー」の販売額は同12.63%減となった(表2参照)。



二、輸出入概況

 2016年1~10月、台湾ポンプ・コンプレッサー・コック・バルブ製造業の輸入額は前年同期比1.23%減の488億3,800万台湾元となった。主要輸入相手国上位5カ国は、輸入比率が高い順に▽中国(香港、マカオを除く:28.23%)▽日本(25.37%)▽米国(13.37%)▽ドイツ(7.51%)▽韓国(5.07%)——であった。16年下半期は台湾経済が徐々に好転したため、台湾当産業の輸入需要は成長した。中華民国税関の資料によると、16年10月の輸入額は前年同期比7.13%増で、なかでも日本と米国からの輸入額が大きく成長した。このことから16年第4四半期の台湾当産業の輸入額は前年同期比で成長傾向が続くと予測される。

 輸出について、台湾当産業の主要輸出相手国上位5カ国は輸出比率が高い順に▽米国(30.16%)▽中国(香港、マカオを除く:16.56%)▽日本(9.35%)▽ドイツ(3.73%)▽タイ(2.66%)——であった。米国は2015年末に利上げを実施してから製造業の投資意欲が鈍化しており、加えてシェールオイル開発業者の設備需要も減少している。このような背景から、16年1~10月の台湾当産業の輸出額は前年同期比5.95%減の539億6,400万台湾元にとどまった(表3参照)。

 2016年第4四半期については、米国からの需要は低迷が続くが、中国市場では需要が回復し、さらにASEAN、ドイツおよび日本からの受注が大幅成長しているため、台湾当産業の輸出額は減少傾向を脱却できる見通しだ。

三、主要メーカーの動向

 2016年に入ってから台湾市場におけるコンプレッサーの販売額は減少している。瑞智精密(RECHI)は、格力電器(GREE)、美的集団(Midea)および日立上海に次ぐ世界4位のコンプレッサーメーカーである。中国ではエアコンメーカーによる在庫消化で、コンプレッサーの在庫補充が進んだため需要が増加した。さらに中国の生産拠点でインバーターコンプレッサー、新製品のブラシレスDCモーター(BLDC)の生産を開始したため、16年の同社の連結売上高は前年同期比10.08%増の143億5,600万台湾元となった。

  成霖企業(GLOBE UNION)は米国の不動産景気が回復した恩恵を受けて、傘下である「ガーバー(Gerber)」のセラミック製浴室・トイレ設備の受注が伸び、これに伴って蛇口の受託生産を行っている中国・華南工場の受注が増加した。しかし、2016年9月から子会社の経営見直しを進めたことが業績に響き、16年1~10月の同社の連結売上高は前年同期比1.09%減の162億1,300万台湾元となった。

  橋椿金属(サンスプリング)は北米地区での受注減少に加えて、中国、カナダおよびブラジルで顧客の在庫消化が長引いていること、さらに原材料価格下落を受けて販売価額を下方修正したことなどが第2四半期の出荷と業績に打撃を与えた。このため2016年1~10月の連結売上高は前年同期比7.32%減の50億9,500万台湾元となった(表4参照)。

 各メーカーの2016年1~9月の利益について、瑞智精密は売上高が成長しただけでなく粗利益率も向上したため、連結当期純利益は前年同期比43.45%増の11億6,800万台湾元となった。橋椿金属の売上高は減少したが粗利益率が向上し、さらに為替差益が大幅増加したため、連結当期純利益は同31.16%増の5億3,700万台湾元となった。成霖企業は経済環境の変化に対応して経営方針を見直したことから、16年第3四半期に多額ののれんの減損が生じ、連結当期純利益は赤字となった。

四、未來の展望
 多くの国際研究機構が、2017年の世界経済の成長率は前年同期比で成長すると予測している。しかし、中国経済の成長鈍化と輸入代替政策、米国の利上げを受けた為替変動といったさまざまな不確定要素を受けて川下メーカーが設備調達を延期しているだけでなく、台湾当産業メーカーに値下げを要求する可能性が生じている。これにより台湾当産業の輸出業績は打撃を受けるだろう。また、台湾石油化学メーカーが台湾での投資規模を縮小させていることが、内需市場にとって悪材料となる見込みだ。このように内需・外需市場の不振が続く中、17年の台湾当産業の販売額は前年同期比で減少すると予測されるが、比較対象となる数値が低いため、減少幅は緩やかになる見通しだ。
 製品別にみると、バルブは海外メーカーとの競争、台湾石油化学メーカーの投資縮小を受けて、販売額はさらに減少する見込みだ。しかし比較対象となる数値が低いため、減少幅は緩やかになるとみられる。また、台湾石油化学メーカーの投資縮小はポンプの販売にも影響を及ぼし、ポンプの販売額も小幅減少となる見通しだ。一方、コンプレッサーは川下メーカーが在庫補充を進めているため、販売額は成長するだろう。

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