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企業紹介——進典工業(JDV)


リサーチ 台湾事情 その他 作成日:2017年5月4日

機械業界 ポンプ・コンプレッサー・コルク・バルブ

企業紹介——進典工業(JDV)

記事番号:T00070342

 1975年創業の進典工業(JDV)は、台湾において唯一、研究開発(R&D)および製造を100%国内で行うハイエンド・コントロールバルブメーカーで、自社ブランド「JDV」の製品を60カ国以上で販売している。その供給先は石油・化学、製油所、発電所、紡績、鉄鋼、光電、製紙など多岐にわたり、「台湾のバルブ王」の名で呼ばれている。

  台湾を拠点として世界で活躍する同社では、先進的設備と開発技術の双方を重視しており、ロイヤル・ダッチ・シェルや英BPといった「スーパーメジャー」と呼ばれる世界的石油企業をはじめ、▽日立▽ポスコ▽サムスン電子▽中国鋼鉄(CSC)▽台湾中油(CPC)▽台塑集団(台湾プラスチックグループ)▽台湾積体電路製造(TSMC)▽中国石油化工集団(シノペック)▽中国石油天然気集団(CNPC、中国石油)▽中国海洋石油(CNOOC、中海油)▽神華集団▽中国中煤能源▽中国国電集団▽トタル▽バイエル▽ロシェ▽タタ・スチール−−といった国際的大手企業をパートナーとしている。
  なお近年では国内で台プラの第6ナフサ分解プラント(雲林県麦寮郷、通称六軽)、CSCの高炉システム建設、中国でシノペックの石化プラント建設に関する受注を獲得している。

こだわりの設計と職人技が融合

  進典工業の范義明副総経理は、同社では特許の取得に注力することで技術力や競争力の向上に努めていると説明。毎年平均3件の発明特許および実用新案を取得しており、特許取得数は同業で最多となっている。既に台湾、米国、中国、ドイツで11件の発明特許および実用新案を取得したほか、現在14件が審査中だ。
 進典工業が製造するバルブは厳しい環境で使用される工業用バルブで、設計と高度な職人技を融合させることでナノメートルよりもさらに細かい精密度を実現している。また、同社独自の「金属密封技術」について黄彦文・工業総管理処長は、バルブの内部から外部まで特殊金属を使用することにより100%の密閉性を実現しており、さらに800度の高温、マイナス196度の低温、2,500重量ポンドの圧力、摩耗に耐え得る製品となっていると強調する。このほか同社は台湾のバルブ業界で初めて、コントロールバルブの流量や安定性がテスト可能なCV値実験室を設置。国内のバルブ設計の方向性を決める存在となっている。

  生産コスト低減のため、単一規格のバルブを製造する大部分のメーカーとは異なり、進典工業は創業当初から「各工場向けにカスタマイズした専用バルブ」を手掛けている。こういった製品は徹頭徹尾、自前の能力が要求されるため、これを繰り返すことで現在のJDVブランド最大の強みを築き上げることとなった。

  こうした同社の価値は近年、高い注目を集めており、2013年には宏碁(エイサー)の創業者、施振栄氏が董事長を務める智融集団(iDソフトキャピタル)や鉄鋼業台湾最大手のCSC、台湾第4位の金融持ち株会社、兆豊金融控股(メガ・ホールディングス)から相次いで出資を受け、豊富なリソースを基にスイス2位のバルブメーカーを買収。欧州市場参入の足がかりを得た。

ブランド事業に注力

  現在、運営および研究開発の主導権を握る進典工業2代目の范義鑫総経理は、景気の変動にもかかわらず同社が安定した業績を維持してきた理由について、一貫して自社開発、自社製造のポリシーを守り、ブランド事業に注力してきたことが背景にあると強調する。

  同社はまた、さらなるブランド力の強化に向け、台湾バルブ産業における4項目の改革を提起している。その一つは、台湾における同産業の将来性を高めるための措置として労働の安全と環境保護の重視を挙げる。進典工業は昨年より、業界や政府、学術界と連携して労働の安全や大気汚染など環境保護についての議題をテーマとするシンポジウムを開催。これにより各界がバルブ産業の重要性を意識するようになり、産業全体に占める地位向上に貢献している。

高品質維持で価格競争回避

  進典工業は、工業技術が一定の成熟段階に達し、さらに上のレベルへと発展を目指す際、人材、資金、ブランドに関する幻想、価格競争といった問題に直面すると認識している。

  ブランドが販路を構築する際には莫大な資金と人材が必要となり、企業経営にとっては大きなチャレンジとなるため、一歩ずつ慎重に計画を進めることが求められるという。また一般の顧客が欧米や日本ブランドに幻想を抱いているが、長い時間をかけて製品検査を行うことでようやくこれを打ち破ることができると説明する。

  さらに同業者との価格競争については、高い品質を維持した上で顧客とのコミュニケーションを十分に取り、アフターサービスを充実させることで、優れた製品はそれに見合う価格を持つことを理解してもらうことができると強調する。

 

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