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【ワイズリサーチ】台湾代替エネルギー産業——2017年Q1の振返りおよび未來展望


リサーチ マーケティング 台湾事情 作成日:2017年6月29日

機械業界 エネルギー

【ワイズリサーチ】台湾代替エネルギー産業——2017年Q1の振返りおよび未來展望

記事番号:T00071373

一、2017年第1四半期産業概況
 工業技術研究院産業経済およびトレンド研究センター(工研院IEK)の報告によると、代替エネルギー産業のうち、太陽光発電産業の生産額は前期比4.3%減の301億7,000万台湾元で、風力発電産業の生産額は同32.5%減の24億9,000万台湾元で、その他(燃料電池・バイオ燃料)の生産額は同7.0%減の8億台湾元で、そろって減少傾向となった。

  代替エネルギー産業において、各カテゴリーが占める割合は順に▽太陽光発電産業(90.2%)▽風力発電産業(7.4%)▽その他(燃料電池・バイオ燃料;2.4%)——となっている(表1参照)。


二、カテゴリー別概況
1.太陽光発電

  台湾の太陽光発電産業をカテゴリー別から見ると、主に▽シリコン電池(71.8%)▽シリコンウェハー(23.1%)▽その他(シリコンモジュール;5.1%)——の3つに分けられることができる。
 2017年第1四半期太陽光発電産業はシリコンウェハーメーカーの販売額が減少した影響で、産業全体の生産額が前期比減少傾向となった。また、メーカーのうち、多結晶シリコン型太陽電池メーカーの福聚太陽能(台湾ポリシリコン、TPSi)は自己破産を宣告し、宝徳能源科技(Powertec)も市場低迷の影響で工場を休止させ、生産額はゼロとなった。

 この中、シリコンウェハーメーカーは経営の策略として、出荷対象を財務状況が健全な従来の顧客や新興市場の大手メーカーに絞る方針を取ったことにより、2017年第1四半期生産額は前期比18.4%減となった。また、シリコン電池の価格はメーカーが出荷対象を絞ったことにより、価格下落の勢いが緩やかになったため、17年第1四半期生産額は同1.4%増となった。シリコンモジュールは主要輸出相手国の日本からの需要低迷、内需市場中心に方針転換した影響で、17年第1四半期の生産額は約4.7%減となった。全体から見れば、17年第1四半期太陽光発電産業の生産額は前期比4.3%減の301億7,000万台湾元となった。

2.風力発電
 台湾の風力発電産業の主要製品は風力発電部品で、主に中国のシステムインテグレーターを顧客とする。第1四半期は風力発電産業の非需要期であり、加えて大手メーカーは顧客のリクエストに応じて、生産ラインを調整したため、各メーカーの売上高は予想値を下回った。2017年第1四半期台湾風力発電の生産額は前期比25.4%減の24億9,000万台湾元となった。

 台湾風力発電産業において、土地の取得が困難なため、陸上風力発電の開発は遅れている。一方、洋上風力発電はまだ実証検証段階であり、発電機の数量が少ないため、産業の生産額に対する貢献度が低い。

3.その他(燃料電池・バイオ燃料)

  2017年第1四半期その他産業の生産額8億台湾元に達し、うち燃料電池は7億8,000万台湾元、バイオ燃料は2,000万台湾元を占める。台湾の燃料電池市場に大きな変化が無く、16年末の出荷ピークを経て17年第1四半期の生産額は小幅減少となった。また、バイオ燃料は奨励政策が見直され、市場が低迷しているため、バイオ燃料産業の生産額は横ばいとなった。

三、未來展望

1.太陽光発電

 太陽光発電産業について、中国およびインドは当地政府が代替エネルギーの開発に注力しているため、さらなる需要拡大は予測されている。その恩恵を受けて、2017年第2四半期の生産額は前年比5%増の316億8,000万台湾元となる見通しだ。ただし、太陽光発電産業製品の価格低迷は回復する見込みがないため、17年通年の生産額は前年比4.6%減の1,519億2,000万台湾元となる予測だ。
2.風力発電

  第2四半期は風力発電産業の需要期であるため、2017年第2四半期の生産額は前期比20.5%増の30億台湾元となる見通しだ。17年通年について、台湾の風力発電部品メーカーおよびシステムインテグレーターは市場の開拓に注力しているが、現時点の主要市場は中国である。中国は2018年より陸上風力発電の売電価格を下方修正する計画で、17年下半期の風力発電需要を引上げる予測だ。

 台湾市場について、2016年で工事を開始した実証検証用の洋上風力発電機の1つは工事を完成したが、福海風力発電機は尚も準備段階である。全体から見れば、台湾市場の売上は全体の2割りしかないため、風力発電産業に対する貢献度は低い。17年通年の生産額は前年比3.5%増の145億台湾元となる見通しだ。
3.その他

  燃料電池産業は安定な成長を維持し、2017年第2四半期の生産額は8億5,000万となり、17年通年の生産額は31億6,000万台湾元に達する見通しだ。

  バイオ燃料について、価格低迷および原材料価格の上昇により、生産額はほぼ横ばい維持となっている。ただし、農業委員会および環境保護署の方針により、養豚場に向けてバイオマス発電(メタンガス発電)の奨励・支援措置を実施し、発電効率向上および新規メーカーの誘致を目標とする。連帯的にバイオマス発電の生産額を引上げるだろう。これにより、2017年通年バイオ燃料の生産額は9,000万台湾元に達する見通しだ。

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