【一般公開】ハイクラス制御バルブメーカー 「進典工業(JDV)」


リサーチ 台湾事情 その他 作成日:2020年3月19日

機械業界 ポンプ・コンプレッサー・コック・バルブ

【一般公開】ハイクラス制御バルブメーカー 「進典工業(JDV)」

記事番号:T00088922

 1975に設立された進典工業(JDV)は、各種のハイクラス制御バルブを中心に生産しており、自社ブランド「JDV」製品が世界各国で販売されている。同社は桃園市に経営本部と研究開発センターを構え、工場には実験室を設置しており、製品検証チームを有している。進典工業は台湾で100%研究開発と製造を行う唯一のメーカーであり、「JDV」は世界各国の特許件数が最も多いハイクラス制御バルブのブランドだ。

制御バルブ開発にスマート化とAI導入
 進典工業は同業他社と異なり、インダストリー4.0とスマート製造に対応するため、製造プロセスのスマート化を推進している。製品設計では型選定のプラットフォームを立ち上げ、製品検証では高精度3D光学スキャンで測定するロボットアームを導入、その後の検査ではクラウドを利用した可視化管理を行う。このように、同社は従来の精密機械メーカーからスマート機械メーカーへと転身を図っている。また、製造プロセスのスマート化のみならず、毎年新製品を研究開発し続けており、6年連続で台湾精品賞(台湾エクセレンスアワード)を受賞している。
 現在、進典工業はチップを埋め込んだスマート制御バルブの研究開発を進めている。完成すれば、各産業の生産能力管理と人件費削減につながる。同社の制御バルブは▽電子・半導体▽石油化学・精製▽天然ガス▽治水▽食品・製薬▽製鉄▽石炭▽電力▽化学▽航空宇宙――など作業環境の厳しい産業で使用されている。顧客には台湾積体電路製造(TSMC)、サウジアラビアのサウジ基礎産業公社(SABIC)、マレーシアのペトロナス、ベルギーのMRC、米国のFLUORなどを有する。

経営の多角化で大環境の変化に対抗
 進典工業は経営を製品中心から市場の需要中心へと切り替えている。例えば、石油化学・精製産業への進出、そして石油・天然ガス用バルブ市場の開拓がそのひとつだ。石油化学・精製産業は2010年から米国でシェールオイルの採掘量が拡大し、化学工業メーカーの工場建設が増加した。このことから、同社は制御バルブの対米国輸出が伸びており、19年も米中貿易摩擦の影響で米国での販売は小幅ながら成長が続いた。また、中国が市場の一体化を推進する中、進典工業は3年連続で台湾企業として唯一、中国石油化工のボールバルブおよびバタフライバルブの調達先に選定され、中国石油化工の厳しい審査をクリアした世界トップ3のサプライヤーとなっている。
 新型コロナウイルスの感染拡大が中国の建設、経済、貿易を停滞させているが、進典工業はこれに動じることなく、台湾市場で▽石油化学メーカーの年次改善と工場拡張計画▽電子・半導体産業の工場新設計画▽台湾メーカーのUターン投資および海外での工場建設計画▽エネルギー政策に合わせた台湾中油(CPC)の天然ガスターミナル計画――などから派生する受注獲得に動いている。今後、海外を視野に入れた経営の多角化で、さらなる商機を狙う。

海外市場の販路開拓
 進典工業は上海、スイス、シンガポールの子会社を通じて欧州、アジア、アフリカ、米州、オセアニアに40カ所以上の拠点を設置している。子会社には台湾の経営本部から担当者を派遣し、顧客との関係維持と製品の品質管理を行う。現在、海外市場における販路整備に注力しており、東南アジア市場の開拓のほか、北東アジア市場では日本企業との提携を目指している。
 同社は製品の設計から製造に至るまで、使用者、安全、環境、省エネなどさまざまな面を考慮している。バルブ製造の重要技術開発は工場の品質管理システム、各国の販売許可、サプライヤーの認証、製品検証まで踏まえて行われ、「JDV」製品は多くの国際認証と商標を取得している。他社に先駆けた重要技術によって、製品品質と付加価値の向上させることが可能となるのだ。今後は経営本部を置く台湾を中心として各国にサービス拠点を設置し、「製造のサービス化」を推進する。そして全世界でローカライズしたサービスを展開することで、ブランドの知名度と評判を広めることを目指していく。

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