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【ワイズリサーチ】車用電池部品メーカー 微馳智電(WIESS CORPORATION)


リサーチ 台湾事情 その他 作成日:2021年10月28日

機械業界 自動車・二輪車

【ワイズリサーチ】車用電池部品メーカー 微馳智電(WIESS CORPORATION)

記事番号:T00099220

 2017年に設立された微馳智電(WIESSCORPORATION)は、スマートコックピットソリューション提供業者だ。同社はメータークラスターパネルによる電気自動車(EV)の電子制御技術に注目し、デジタルメータークラスターを中心に、ヘッドアップディスプレイ(HUD)やカーオーディオシステムなどを含むコックピットエレクトロニクスを主要製品とする。19年には鴻海精密工業傘下の鴻騰精密科技(FIT)の投資を受け入れた。

自動車産業の構造転換、サプライチェーン再編へ
 微馳智電の洪宏淵董事長は、自動車電動化のトレンドが市場に2つの変化をもたらしたと指摘する。一つは「従来型自動車メーカーの構造転換」だが、従来型自動車メーカーは情報通信技術(ICT)の経験や人材が不足しているため、構造転換には時間がかかる。
 もう一つは「IT企業の自動車市場参入」だ。とくにアップルがアップルカーでEV市場に進出したことは大きなニュースだった。しかし、IT企業はICT技術はあるものの、自動車製造の経験はなく、工場設置や部品認証、サプライチェーンの構築などに時間と資金がかかるため、すぐに成果を生み出すことは難しい。
 また、▽EV向け部品のコンパクト化とモジュール化、▽従来のエンジンとギアボックスがバッテリーとモーター、電子制御システムに置き換えられたこと、▽カーエレクトロニクスの大量導入などの変化が、新規サプライヤーの市場参入のチャンスとなっただけではなく、自動車サプライチェーンの再編と自動車産業の構造転換を加速させている。

メータークラスターパネルを自動車の電子制御システムに統合した研究開発力
 微馳智電はスマートコックピット技術の研究開発を専門に手掛ける。全面的なソリューションを提供するため、従業者の8割はエンジニアだ。▽ソフトウェア、▽ハードウェア、▽ファームウェア、▽メカニカル、▽品質テストなどの専門家を有し、顧客の要求に迅速に対応できる。
 また、同社はEV向けトータルソリューションを提供している。カーエレクトロニクス産業での経験とメーカー間のネットワークを生かし、バッテリーと電機システムメーカーとの戦略的提携を通じて、EV生産の中核技術であるバッテリーとモーター、電子制御システムの3つの技術をまとめたソリューションを従来型自動車メーカーに提供し、EVの生産計画と量産化をサポートしている。
 洪董事長は、微馳智電の研究開発力は競争の強みであると考えている。従来型自動車メーカーへのトータルソリューション提供だけではなく、既存技術のアップグレードや生産のコストダウンを目標とするメーカーに対して、ソフトウェアの更新とメーカー資源の統合を提供して製品競争力の強化を支援し、顧客の期待に応えている。

豊富な提携経験 目標は25年までに上場
 設立後わずか4年の微馳智電だが、すでにタイのMiniMobilityのほか、台湾の▽鴻華先進科技(フォックストロン・ビークル・テクノロジーズ)、▽蓋亜汽車(Gaius)、▽品睿緑能科技(OTTOBIKE)などのメーカーと提携し、EVや電動バイクの分野で実績を残している。現在は台湾を主要市場とするが、今後は日本やタイ、ベトナム、中国のEV市場への進出を目指す。
 将来の市場開拓について、洪董事長は21年末までに台南市にある沙崙智慧緑能科学城(沙崙スマート・グリーンエネルギー・サイエンスシティー)の生産拠点を稼働開始して、設計および生産能力を強化し、22年には▽小型電動車両、▽商用車両、▽軍用車両向け製品の研究開発を開始する計画だ。また、欧州各国がガソリン車の販売禁止を決定したことから、洪董事長は25年が自動車産業のターニングポイントだとし、同年までの株式上場を目標に掲げている。



 

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