記事番号:T00099997
一、台達電子工業、E-モビリティー台湾でEV関連ソリューションを展示
第1回となった2021年の台湾国際智慧移動展(E-モビリティー台湾)で、台達電子工業(デルタ・エレクトロニクス)は電気自動車(EV)用の▽動力システム、▽電力管理システム、▽冷却ファンおよび冷却システム、▽車用受動部品のトータルソリューションを実際の車両で展示した。また、EV用充電設備に再生可能エネルギーとエネルギー貯蔵装置を統合させた、マイクログリッドのV2G(ビークル・ツー・グリッド)充電施設も出展した。
台達電子工業の鄭平・執行長は、同社は08年に電力・電子の専門技術でEVの動力システムとキーコンポーネントの開発に成功しており、現在は世界大手自動車メーカーの1次サプライヤー(ティア1)だと説明した。台達電子工業は18年に「EV100」に参加して、EV充電装置を提供する台湾初のメーカーとなり、21年3月には世界各地のオフィスと工場の再生可能エネルギー導入率を30年までに100%まで引き上げること、カーボンニュートラルを達成することを目標に掲げている。
台達電子工業が展示したEV充電ソリューションは以下の通りだ。
(1)200kWおよび350kWの急速DC充電スタンド、住宅・マンション向けの17.6kW小型AC充電スタンドを提供する。
(2)エネルギー貯蔵、太陽光発電およびEV充電のインフラソリューション。V2G技術を応用した充電スタンド「V2X」は、EVを電力供給源として利用できるため、電力需要に応じて需供を調整することが可能だ。
二、中興保全科技、車のIoT市場に参入
収益源多様化の一環として、中興保全科技(台湾セコム)は車のモノのインターネット(IoT)市場に参入し、鴻海精密工業が推進するMIH聯盟(MIHコンソーシアム)に参加している。
中興保全科技と星生能源の合資会社「星生方案」は、充電スタンド、グリーンエネルギーおよび省エネ関連のソリューション提供を行う。自動車産業のEVシフトによって、充電スタンド設備と設置の需要が大幅に増加する中、星生方案は中興保全科技と星生能源の資源を利用して関連サービスを提供できる。また、ホテルや民宿、マンションなどの大口顧客に充電および電力ネットワークのソリューションを提供することも可能だ。
また、企業がカーボンニュートラルを推進する中、社用車のEV化によって充電スタンドの設置だけでなく、エネルギー貯蔵、充電および車両管理などの需要が生まれている。今後、星生方案はEVのサプライチェーンメーカーと提携して、台湾EV産業の発展を加速させることができるだろう。
三、台湾のEV産業発展の強み、半導体産業と自動車部品産業
台湾玉山科技協会(Monte Jade Taiwan)の20周年記念フォーラムで、台湾EV産業の発展について、以下の提案が行われた。車輌研究測試中心(ARTC)の王正健・総経理は、多くのEV部品に搭載されるICの生産において、台湾は高い技術力を有すると指摘。米中貿易摩擦を受けて、欧米の自動車メーカーがEV発展のために中国メーカーと提携する可能性は低い一方、東南アジアは技術力不足が問題であり、日本や韓国は国内自動車メーカーがノウハウの漏えいを懸念するため、提携はさらに困難であることから、台湾の半導体メーカーにとって大きな商機となると強調した。
工業技術研究院(工研院、ITRI)の劉文雄・院長は、政府は半導体産業メーカーと自動車部品サプライヤーの提携を奨励すべきだとし、自動車部品サプライヤーは海外の大手自動車メーカーと取引があるため、EV市場への突破口を見つけ出すことができると指摘した。
また、現在すでに多くのメーカーがEV充電スタンドの設置を推進しているが、次の目標は充電スタンドの共通規格を確立して、ドライバーが規格の不一致で利用できないという状況を回避することだとし、これによって充電スタンドのメンテナンスや修理もスムーズに行うことができようになると述べた。
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