【ワイズリサーチ】電動バイク部品メーカー 湛積(LSCエコシステム)


リサーチ 台湾事情 その他 作成日:2021年11月25日

機械業界 自動車・二輪車

【ワイズリサーチ】電動バイク部品メーカー 湛積(LSCエコシステム)

記事番号:T00099744

一、企業概要
 2019年に設立された湛積(LSCエコシステム)は、車両や小型キャリア(ドローン、電動キックボードなど)向けのスマート化・電気化ソリューションを提供する。林松慶・創業者兼CEOは、同社設立前に数社の電動車両関連企業に勤務しており、その経験を活かして新たなビジネスモデルを構築し、電動車両産業向けのソリューションプロバイダーとなることを目指している。

二、EV向けオープンプラットフォーム 車両開発期間を12カ月に短縮
 自動車産業でスマート化・電気化が進む中、従来の自動車メーカーは電気自動車(EV)の製造経験が少ないため、▽部品規格の不適合、▽情報通信技術の不足、▽情報通信システムの低効率などの問題に直面している。これに対し、LSCは自社開発のスマート化・電気化システムを基礎として、サプライチェーンメーカーの製品を統合することによって、EV向けオープンプラットフォームを構築した。これを通じて、従来の自動車メーカーやスタートアップの自動車メーカーも自社製品をデザインすることができ、EVの開発期間が12〜18カ月へ約30%短縮することが可能となった。
 また、トータルソリューションプロバイダーを目指すLSCは、従業員の6割がエンジニアであり、▽ファームウェア、▽ソフトウェア、▽車体構造、▽電子電路、▽機械など幅広い分野の人材が揃っている。高い研究開発力を有するため、従来の自動車メーカーに情報通信技術やソフトウェアソリューションを提供できるだけではなく、スタートアップの自動車メーカーに車体や機械の製造技術を提供することも可能だ。

三、産業環境の向上で人材定着、産学連携で人材育成
 林CEOは人材こそがEV産業の基礎と考えている。台湾自動車産業の人材不足について、従来の自動車メーカーは労働環境や賃金などが理由で従業員の離職率が高いこと、そして台湾の教育体制が単一の分野に集中しているため、卒業生の就職先の選択肢が限られていることが原因と分析する。
 EV大手テスラの成功と台湾市場におけるEV販売好調が、台湾自動車産業の構造転換を加速させている。また、スタートアップの自動車メーカーの参入によって産業環境が再構築され、人材の定着率も向上した。
 今後、EV産業は自動車生産技術だけではなく、クラウドコンピューティングや情報分析など幅広い技術応用を必要とする産業となる。このため、産学連携による人材育成は未来の人材確保のための重要な手段だ。対象学科を拡大してEV産業の発展を支える人材を育てていくべきである。

四、小型電動キャリアの技術プロバイダーへ
 LSCは設立してわずか2年の企業だが、すでに10項目の特許を取得しており、欧州、東南アジア、日本の小型電動キャリアメーカーを主要な顧客とする。資金募集と経営規模の拡大を急ぐ一般のスタートアップとは異なり、LSCは短期目標であるスマート化・電気化システムのオープンプラットフォーム技術の向上に力を入れている。オープンプラットフォームを▽大型バイク、▽オフロード車、▽バギーカーなどの車種開発に応用することが目標だ。
 林CEOは、単一メーカーだけではEV産業は成長しないと考えている。なぜなら、単一メーカーだけでは市場需要のすべてに対応することができないからだ。多様なコンセプトやデザイン、異なる体験を顧客に提供する製品があってこそ、市場と需要の拡大が促進される。このため、LSCは自社のオープンプラットフォームを台湾と海外のメーカーに広め、EVの大量生産と市場流通を促進することで、EV産業の成長を目指している。


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