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《ペロシ氏訪台》中国が台湾統一の白書発表、「武力行使を放棄せず」【図表】(トップニュース)/台湾


ニュース 政治 作成日:2022年8月11日_記事番号:T00104152

台湾有事

《ペロシ氏訪台》中国が台湾統一の白書発表、「武力行使を放棄せず」【図表】(トップニュース)/台湾

 中国政府は10日、『台湾問題と新時代の中国統一事業』と題した白書を発表し、「平和的統一」や「一国二制度」など基本方針を堅持するとしつつ、武力行使は放棄せず、非平和的な手段を、外部勢力による干渉や台湾独立への対処方法として準備すると強調した。ナンシー・ペロシ米下院議長の訪台後、中国軍が台湾周辺で実施した軍事演習を終えるタイミングでの発表だ。蔡英文・総統は、武力による脅しであり、中国を恐れ、妥協する考えのある政党や人物を取り込む狙いだと批判した。11日付聯合報などが報じた。

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 白書の第一部は、台湾(中華民国)を国連から追放した「アルバニア決議(2758号決議)」の内容を基に、同決議は「一つの中国原則」を体現し、一つの中国原則は国際社会で普遍的な共通認識であると指摘。台湾が中国の一部である歴史と事実について疑う余地はなく、台湾は元より一つの国家ではなく中国の一部であるという地位が変わる余地もないとの内容で始まった。

 白書では、民進党が台湾独立を企てていることで、両岸(中台)関係を緊迫化させたことや、米国が台湾をカードに台湾海峡の平和と安定を深刻に脅かしているなどと、台湾当局や米国への批判を強めた。

「統一」の語気強める

 白書は、▽台湾が中国の一部であることに疑う余地はない、▽中国共産党は祖国の完全統一を断固として推進する、▽祖国の完全統一を妨げることは不可能、▽新たな時代・新たな出征の過程で祖国統一を推進する、▽祖国の平和的統一を実現するビジョン──の計5部構成。計1万4000字の内容の中で「統一」という言葉が121回出現した。これは中国が過去に2回発表した白書の約2倍に相当する。

 中国政府はこれまで、両岸関係に重大な転機が生じた際に白書を発表していた。李登輝・元総統が台湾の国連再加盟運動を推進した1993年、李・元総統が「二国論」といわれる「特殊な国と国の関係」を展開し、民進党独立派である陳水扁・元総統が当選した総統選挙が開催された2000年に続き、今回が3回目、22年ぶりの発表だ。

 中国軍東部戦区は10日、ペロシ米下院議長の訪台後の4日から開始した台湾周辺の空海域での軍事演習について、各種任務を完遂したと発表した。一方で台湾海峡の情勢の変化を注視し、台湾海峡での巡回を常態化させると表明した。中国国防部は10日、台湾の独立派勢力や外部勢力に対する抑止力だと強調した。

「事実を無視」、陸委会反発

 大陸委員会(陸委会)は10日声明を発表し、台湾側は中台は互いに隷属しない立場を堅持し、一国二制度を断固拒否していることこそ、台湾海峡の現状と事実であり、白書は頑なに事実を無視していると批判した。中国軍が連日、台湾への軍事的圧力を強め、白書を通じて国際法と両岸間の事実に反する、統一を促す言論を発表したことに、厳正に抗議すると表明した。

 

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