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第511回 専門団体による費用徴収基準設定で連合行為認定/台湾


ニュース 法律 作成日:2024年3月11日_記事番号:T00114141

知っておこう台湾法

第511回 専門団体による費用徴収基準設定で連合行為認定/台湾

 公平交易委員会(公平会、公正取引委員会に相当)が2024年3月4日に公処字第113013号処分書(以下「本処分書」)を発行し、土木技師同業組合、構造技師同業組合など8つの専門団体が「耐震評価」などのサービスの費用徴収基準を共同で決定したとして、違法な連合行為(カルテル)を構成すると認定し、各団体に課徴金20万~60万台湾元(約90万~280万円)を課しました。

 公平交易法(公正取引法)(以下「本法」)第14条第1項による「連合行為」とは「競争関係を有する同一の生産・販売段階の事業者が、契約、協議またはその他の方式による合意をもって、商品またはサービスの価格、数量、技術、製品、設備、取引先、取引地域を決定する、またはその他相互に事業活動を拘束する行為であって、生産、商品の取引またはサービスの需給における市場の機能に影響を及ぼすに足りる行為」を指し、本法第15条によると、いかなる企業も連合行為をなしてはならず、「コスト削減、品質改良または効率化促進のために商品またはサービスの仕様または形態を統一する場合」などの除外条件を満たし、かつ公平会の許可を受けた場合に限り、例外的に認めるとされています。

 本処分書で指摘されている連合行為は主に次のとおりです。

1.中華民国土木技師同業組合全国連合会(土木全連会)、中華民国構造エンジニアリング技師同業組合全国連合会(構造全連会)およびこれらに属する各地方の土木同業組合、構造同業組合が、19年に会議を開催して耐震マーク認証サービスおよび私有建築物耐震性評価に関する費用徴収基準について討議し、徴収する費用を統一するとの結論を出し、関連する費用徴収基準を定めることを決議した。

2.土木全連会、構造全連会ならびに台湾省、台北市および新北市の土木同業組合および構造同業組合が、19年1月から4月までの間に、会議での討議、理事・監事会決議、会員である同業組合に書簡を送付して通知することを通じて、「都市の危険建築物および老朽建築物の構造安全性能評価」の詳細評価の徴収費用を共同で調整した。

3.土木全連会も19年8月に、理事会決議により「都市の危険建築物および老朽建築物の構造安全性能評価」の初歩的評価の費用徴収基準を改定し「建築物の公共の安全に係る耐震性評価検査および認証」の費用徴収基準を定めた。

 従って、競争関係を有する企業間の製品やサービスの価格に関する協議会だけでなく、競争関係を有しないように思われる専門団体が行った価格決定さえも、同様に連合行為と認定されることに、特にご留意ください。

 

*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。

蘇逸修弁護士

蘇逸修弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

台湾大学法律学科、同大学院修士課程法律学科を卒業後、法務部調査局に入局。板橋地方検察署で、検事として犯罪調査課、法廷訴訟課、刑事執行課などの業務を歴任。2011年より黒田法律事務所にて弁護士として活躍中。

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