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《台湾有事》中国軍が35年に台湾封鎖可能へ、国防部が報告書(トップニュース)


ニュース 政治 作成日:2025年9月1日_記事番号:T00123833

台湾有事

《台湾有事》中国軍が35年に台湾封鎖可能へ、国防部が報告書(トップニュース)

 国防部は29日、中国人民解放軍が2035年までに全面的な軍事現代化を実現させ、台湾に対する封鎖や接近阻止・領域拒否(A2/AD)などの能力の完備を目指しているとの報告書を発表した。中国の防衛ライン「第2列島線」(伊豆諸島~小笠原諸島~グアム・サイパン~パプアニューギニア)以西で戦力投射の優位を確立することで、台湾海峡の「内海化」を達成する目標だと説明した。中央社電などが伝えた。

/date/2025/09/01/00laiqingdeus_2.jpg頼・総統(中)は29日、総統府で米上院のウィッカー軍事委員会委員長(右3)と会談し、米上院軍事委員会委員長として9年ぶりの訪台は、米台の安全協力にとって意義があると述べた(総統府リリースより)

 国防部が立法院(国会)に送付した2025年の中国共産党軍事力報告書によると、中国の軍事戦略は「積極防御」を維持しており、新たな「三歩走(3段階に分けて発展する戦略)」で定めた短期、中期、長期の3段階の目標を基に軍の近代化を徐々に達成していると指摘した。近年の軍事活動の範囲が、第2列島線にまで拡大し、南太平洋で航行訓練も行うなど、防御の布陣は従来よりもさらに主動的になっていると分析した。

 中国が訓練や演習から戦争に転換する可能性として、▽台湾の接続水域(24カイリ)に迫る演習、▽第1列島線(九州~沖縄~台湾~フィリピン)と第2列島線の間に常態的に兵力を配備する、▽台湾周辺で航行禁止区域を設定して実弾射撃を行う、▽中国海警局(CCG、海上保安庁に相当)による検査の強制執行や拿捕(だほ)──の4つが挙げられた。

 国防部は、中国がサイバー作戦を軍事行動の重要な要素と位置づけ、平時には浸透と長期潜伏を進め、戦時には破壊活動に転じる方式だと指摘した。サイバー部隊は各種資源を統合して、衝突の初期に機能をまひさせる攻撃を発動することで、非対称の打撃効果を発揮できると説明した。

 さらに陸海空など各軍の火力を統合運用し、最初の突撃、後続攻撃、追加の打撃という3段階で作戦を展開し、多様な弾頭の組み合わせによる短期集中攻撃と突破・奇襲攻撃に重点を置いて火力の最大化を狙っているとの見方を示した。

 国防部はまた、中国が「一帯一路」構想を活用し、インド太平洋諸国との政治、経済、軍事的な結びつきを深め、地域のパワーバランスを変えようとしていると指摘した。米国とその同盟国の戦略に対抗するとともに、台湾を孤立させるよう国際社会を誘導して「台湾は不可分の領土」という中国の核心的利益を守ろうとしていると分析した。

 顧立雄・国防部長は今年5月、中国が27年に台湾侵攻の準備を完了すると米国から警告されていることに絡み、台湾軍も27年までに実質的な戦争準備を完了する目標を設定していると明らかにしていた。

■防衛費引き上げ、中国が反発

 中国の軍事力の拡大に対して、頼清徳・総統は29日、米上院のロジャー・ウィッカー軍事委員会委員長(共和党)と総統府で会談した際、防衛予算を北大西洋条約機構(NATO)の基準に倣って、30年までに域内総生産(GDP)比で5%に引き上げる考えを示した。

 台湾の防衛費引き上げについて中国国防部の張暁剛・報道官は、頼・当局は軍備拡大の道を突き進み、米国に言われるがままに従い、現金自動支払機(ATM)のごとく台湾を食い物にして空洞化させており、火遊びの末に身を滅ぼす運命から逃れることはできないと批判した。

 

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