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《台湾有事》頼・総統が国家安全行動プラン発表、「中国の27年統一目標」に備え【図表】(トップニュース)


ニュース 政治 作成日:2025年11月27日_記事番号:T00125559

台湾有事

《台湾有事》頼・総統が国家安全行動プラン発表、「中国の27年統一目標」に備え【図表】(トップニュース)

 頼清徳・総統は26日、中国が2027年までに「台湾武力統一」の準備を完成させることを目標に掲げ、台湾侵略の軍事整備を加速しているとして、これに対応するため、2つの「民主台湾を守る国家安全行動プラン(アクションプラン)」を策定したと発表した。具体的には、26~33年の8年間で計1兆2500億台湾元(約6兆2500億円)の特別予算を編成し、「台湾の盾(Tドーム)」と呼ぶ高度な防空システムを整備し、軍事的威嚇を強める中国への抑止力を強化すると表明した。27日付聯合報などが報じた。

/date/2025/11/27/00lailarge_2.jpg頼・総統は26日の記者会見で、特別予算は平和と台湾の安全に必要な投資だと述べ、野党に支持を呼びかけた(総統府リリースより)

 頼・総統は同日午前、国安高層会議(国家安全保障ハイレベル会議)を開き、閣僚らと国家安全行動プランについて協議した後、総統府で記者会見を開いた。「国家主権を断固維持し、民主防衛メカニズムを全面構築する」「国防戦力を強化し、全方位で国防関連産業を構築する」という2つのプランを発表した。

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 頼・総統は、中国が最近、「民主台湾」を「中国台湾」に変えようとする行動を全面的に推進しており、台湾の国家安全と自由民主に重大な脅威をもたらしているとの認識を示した。中国は台湾侵略の軍事整備を加速し、台湾周辺での軍事演習やグレーゾーン事態を継続的に強めており、「武力で統一を迫り」「武力で屈服させ」、台湾を併合しようとしていると述べた。

 第1の行動プランでは、▽国安会が常態的な専門チームを設け、中国による現状破壊の覇権行為に全面的に反撃する、▽中国の介入・干渉に対する社会の警戒を強化し、内部の団結を保ち、対外姿勢を一致させる、▽国家安全に関する十法の立法を加速する、▽中国による越境弾圧に対して通報メカニズムを構築し、台湾にいる協力者を厳しく処罰する、▽中国の統一計画「一国二制度」を台湾にとって触れてはならないレッドラインとして確立する──ことを目標に挙げた。

 第2の行動プランでは、▽27年までに国軍聯合作戦部隊の高い戦備能力を達成し、中国の脅威を有効に抑止する、▽33年までに高度に強靭(きょうじん)で全面的な抑止力を有する防衛戦力を建設する、▽「民主台湾」を永続的に守る国防戦力を構築する──という3段階の目標を掲げた。その上で、頼・総統は、北大西洋条約機構(NATO)の基準に従い、26年度の国防予算は域内総生産(GDP)の3%を超えると指摘し、30年までにGDPの5%に到達させ、国家を守る決意を示した。

■「米国関税協議と無関係」

 記者会見では、米国のトランプ大統領が中国の習近平・国家主席と電話会談したことや、台湾と米国の関税協議の結果が間もなく明らかになることから、「このタイミングの防衛特別予算は米国からの圧力か」との質問が出たが、頼・総統は、国防力の強化は中国による併合を防ぐためであり、以前から準備していたもので、米中首脳の電話会談や米国との関税協議とは無関係だと強調した。

 頼・総統が記者会見で、中国は27年までに台湾武力統一の準備を完成させることを目標に掲げていると言及したことについて、総統府の郭雅慧・報道官は26日夜、頼・総統が指したのは、中国が27年を節目として台湾武力統一のための各種軍事準備と複合的な脅威を進めているということであり、27年は米国議会の報告でも触れられていることを挙げて、中国の指導者が人民解放軍に台湾攻撃の準備を整えるよう求めた時期にすぎないと説明した。

 米国の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)台北事務所のレイモンド・グリーン所長は、頼政権の特別予算の発表について、台湾が欧州諸国、日本、韓国などのパートナーの仲間入りをし、国防分野に極めて重要な投資をすることは、世界の平和と繁栄が直面する前例のない挑戦を抑止する上で不可欠だと述べ、歓迎を表明した。

 一方、最大野党の国民党の鄭麗文・主席(党首)は、頼・総統の発言は台湾海峡を火薬庫にするだけでなく、台湾を兵器工場に変えてしまうと批判した。国際社会に台湾が平和を愛することを理解してもらい、台湾は積極的に平和の創造者になるべきだと述べ、頼・総統に熟慮と方向転換を求めた。

 

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