リサーチ 経営 マーケティング 人事労務 台湾事情 作成日:2026年7月17日
日系企業給与動向記事番号:T00129615
ワイズコンサルティングでは、毎年在台日系企業を対象とした給与調査を実施しています。長年にわたる独自のデータ蓄積を経て、今年(2026年)も185社の日系企業にご協力いただき、台湾現地における最新の給与実態を収集・分析しました。今回は、そこから浮かび上がった2026年の給与トレンドについてお伝えします。
給与水準は「伸び悩み」の傾向へ
今年の調査結果によると、在台日系企業の全体平均は、月収(月額経常性給与)が50,940台湾元、年収は771,048台湾元となりました。直近5年間の推移を振り返ると、右肩上がりで推移してきた給与水準ですが、ここに来て明確な変化が見られます。月収は2025年(51,025元)からほぼ横ばいの+0%(50,940元)。そして年収に至っては、前年(798,695元)からマイナス3%の減少に転じており、日系企業の給与成長にややブレーキがかかっている実態が浮き彫りになりました。

インフレと最低賃金に押される「ベースアップ」の急増
昇給事情に目を向けると、2026年の総昇給率の見通しは平均3.30%と、過去3年間とほぼ同水準の安定した数字を示しています。しかし、その中身には顕著な変化が起きています。昇給の実施方法として、「ベースアップのみ」を実施すると回答した企業が、前年の6%から12%へと一気に倍増したのです。これは、台湾現地における継続的な物価上昇(インフレ)や、政府による最低賃金の引き上げ政策に対し、多くの日系企業が「従業員の生活水準を維持するための底上げ(一律の賃金引き上げ)」を迫られている苦しい事情を反映していると言えます。
業態・エリアによる格差の固定化
業態やエリアによる給与水準の「差」も引き続き顕著です。
業態別に見ると、卸売業が月給6.35万元/年収105.1万元と全体を牽引する一方、製造業は月給4.72万元/年収70.3万元と、約35万元もの年収格差が開いています。

エリア別でも、新北市(月給6.13万元)や台北市(月給5.93万元)といった北部エリアが高水準を維持する反面、中南部との地域間格差は埋まっていません。
全体的な給与水準が足踏みし、物価高対応のベースアップに追われる日系企業。しかし、真の危機は「台湾企業との相対的なポジション」に潜んでいました。
次回の第2回では、データが明確に警告する「日系企業が直面する3つの人材流出リスク」について深く切り込んでいきます。
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段婉婷
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