台湾でリフロー炉が売れないわけ


2010年7月29日0:00  リサーチ 台湾事情

台湾でリフロー炉が売れないわけ

記事番号:T00024296

以下は2010年7月に公開した「台湾リフロー炉市場」を編集したものです。


 リフロー炉とは、電子部品をプリント基板に実装する表面実装工程(Surface Mount Technology、SMT)に用いられる装置の一つである。クリームはんだをプリント基板(PCB)上に印刷した後にはんだを溶融させ、実装されている部品のはんだ付けを行う。現在リフロー炉は、電子回路を持つほぼあらゆる製品の生産に利用されている。しかし、2008年におけるリフロー炉の台湾向け出荷台数は200台以下にとどまった。2009年に関しては、さらに50%以上の減少しただろう。ここまで急激に近年需要が落ち込んでいる理由は主に三つある。

(1)景気の停滞

 2008年第3四半期に起きた金融危機とその後の不況で、民生機器の需要が激減した。台湾の電子産業(電子部品・機器・設備、光学製品を含む)は大きな打撃を受け、多くの企業が減産や休業を迫られた(図1)。これがリフロー炉の需要を減らした。

(2)生産拠点の中国移転

 2000年ころより一貫して台湾から中国に生産拠点が移転している(図2)。このため、台湾のリフロー炉メーカーや販売代理店の主な販売先は、既に中国になった。例えば大手のHuang Dyi Industrial Co., Ltd.(皇迪機電工業)は、生産量の3分の2を中国へ輸出している。販売代理店のLoover Industrial Co., Ltd.(詮晟實業)やBanner-ever International Group Corp.(邦揚国際)は、全数を中国向けに販売している。

(3)低い更新需要

 リフロー炉はSMT生産工程の中で技術進化が比較的緩やかな装置であり、常に更新する必要がない。弊社のヒアリング調査では、リフロー炉の使用年数は10年以上に及ぶ企業が多い。これは前述の(2)の結果でもある。台湾に残った中小メーカーは、技術的に容易な部品実装を担うことが多く、リフロー炉を買い替える必要性が低い。生産ラインを増設したときも同様な状況なので、中古のリフロー炉を購入することが多い。実際、前年の不況でも減産や休業をした工場から、大量のリフロー炉が中古市場に流入した。

 経済部統計処によると、電子部品製造業の2010年第1四半期の生産額は前年同期比84%増、電子機器・設備および光学製品製造業の生産額も23%増加となった。電子業界は金融危機の影響から完全に抜け出したといってよい。しかし(2)(3)から今後、リフロー炉の需要が増加する可能性は低い。

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