売上高がソニーより大きい企業さえ,出現済み


リサーチ 経営 2011年1月5日

Y'sの業界レポート

売上高がソニーより大きい企業さえ,出現済み

記事番号:T00027510

図1 代工5社とソニーの売上高の推移。ソニーとFlextronics社の決算は3月締め,ほかは12月締め。台湾ドル→円の換算レートは2001年度以降それぞれ3.60,3.63,3.37,3.24,3.42,3.58,3.58,3.27,2.83。米ドル→円の換算レートは121.40,125.02,115.73,108.07,109.93,116.30,117.63,103.11,93.43。 「EMS/ODM企業抜きではもはや,まともな売り上げを立てられない――」(日系電子部品商社)。ODMやEMS,そして中国語で「代工(だいごん)」と呼ばれる,設計・製造の受託企業の存在感が電機業界で増している。象徴は,台湾Hon Hai Precision Industry Co., Ltd.(鴻海,通称Foxconn)の売上高である。2005年度にシャープのそれを上回った後,2007年度にはソニーのエレクトロニクス部門(映画や金融などを除く)の売上高さえも超えた(図1)。

 代工の売上高成長率は,2008年ころからは50%未満が当然になっている(図2)。ただし,日本の電子機器メーカーと代工の取引は,増えるばかりだ。パソコンや家庭用ゲーム機に加えて,テレビやデジタル・カメラ,PND(取り外し可能なカーナビ)の設計・製造も,代工が積極的に請け負うようになったからだ。これを利用することで,富士フイルムのカメラ事業や東芝のテレビ事業は,黒字化あるいは収益の拡大を実現した注1)

注1)富士フイルムは台湾Altek Corp.(華晶)に,東芝は台湾Compal Electronics, Inc.(仁寶)に,それぞれ委託する場合が多い。図2 代工5社の売上高成長率の推移。本図の成長率は,図2と異なり円に換算していない。台湾Wistorn Corp.(緯創)の2001年における成長率は,プロットされていない。これは同社設立が同年5月であるため。Wistorn社は,台湾Acer Inc.(宏碁)から分離された。

ODMとEMSという区分けは意味がない図3 代工5社の営業利益率の推移。本図の営業利益率は,図1と異なり円に換算していない。

 市場調査会社の一部は今も,代工をEMSとODMに区分けしている。EMSは電子機器の組み立てやプリント基板への部品実装を担う企業,ODMはそれに加えて設計なども請け負う企業という分け方だ。しかし,こうした分類は実態に即していない。EMSというサービスも設計というサービスも,低廉な価格で提供できない代工は,生き残れない状況になっているからだ。

 このために,シンガポールFlextronics International Ltd.は近年まで苦境に陥っていた。営業利益率がHon Hai社などより低かったばかりか,リストラに起因する巨額の純損失をたびたび計上した(図3~4)。台湾系代工がEMSや設計というサービスの価格を下げられる仕組みを持っていたからだ。(続く)

図4 代工5社の純利益の推移。円換算の方法は図1と同じ。


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