記事番号:T00031870
「ついに来たねぇ」。先月半ば、カメラ業界の方とこんな会話をしました。何でも自社で設計・製造する「垂直統合」型のビジネスモデルを採っていたパナソニックが、その方針をついに転換したからです。同社は、初めてカメラの設計・製造を台湾企業、鴻海精密工業に委託。その量産出荷が7月に始まりました。
鴻海の知人によると「開発工数がかかりすぎたので今回の1機種では利益が出ない。次に期待している」とのこと。その知人とLSI関連企業にいる友人は、米ゾーランの画像処理LSIを採用したと証言しています(英CSRは2011年2月にゾーランの買収を発表済み)。
韓国サムスン電子がグイグイ来ているとはいえ、デジタルカメラは日本の民生機器産業の中で例外的に日本企業が高い市場シェアを保っている分野です。しかし市場の成長は既に止まり、単価下落が続いています。一眼レフカメラに代わる「ミラーレスカメラ」がブームですが、それとてメーカーの苦境を打破する商材とは言い難いものがあります。ミラーレスが一眼レフの価格を破壊する存在だからです。価格で負けないことは、これまで以上に競争上の必要条件になったといえます。
日本のカメラメーカーにとって台湾のEMS/ODM企業は、必要条件を満たすための欠かせない存在なりました。中でも、ここ1年ほどで伸びが著しい企業が佳能(アビリティ)です。強烈な円高によって三洋電機が失った注文が、同社に流れ込んでいます。しかも同社はかねての懸案事項、すなわちレンズの自社設計・製造に関しても手を打ち始めました。光学ガラスのガリバー企業である「HOYA出身の日本人技術者が腕を振るっている」(佳能の技術者)そうです。
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