記事番号:T00032473
携帯電話機の心臓といえる半導体は、つい最近まで米国や欧州の企業のシェアが非常に高い分野でした。しかし、それはとうに過去の話。3Gと2G(データ通信が遅いGSM方式)を合算したベースバンドLSIの出荷個数では、台湾の聯発科技(メディアテック、MediaTek)がトップシェアになっています。
多くの方にとって、メディアテックの半導体がたくさん使われているという事実は想像しにくいかもしれません。先進国の携帯電話機にはあまり使われていないからです。同社が出荷する5億個ほどのベースバンドLSIのうち、半数ほどが中国以外の発展途上国、つまり中東やアフリカなどで最終的に消費されています。
そして、それらの地域で圧倒的に受け入れられている携帯電話機は、パクリケータイと揶揄(やゆ)される「山寨手機」です。実売価格が30~50米ドルと低いので、メディアテックのLSIでないとコストが合わないという時代が続いていました。
こうした状況を作り出したメディアテックは既に3G市場に侵攻しています。まだ大成功は収めていませんが、3Gのガリバーであるクアルコム(Qualcomm)と戦える企業として携帯電話機業界の期待を集めています。
ただ最近では、メディアテックの足元を揺るがすかもしれない企業が登場しています。中国の展訊通信(スプレッドトラム、Spreadtrum)や台湾の晨星半導体(エムスター・セミコンダクター、Mstar)です。メディアテックの二正面作戦は成功するのか否か、今後も見守っていきます。(完)
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