記事番号:T00092668
台湾のアスファルト舗装の発展は、日本と密接な関係がある。1925年、「日本鋪道株式会社」が台湾にアスファルト舗装技術をもたらし、台湾の道路舗装は大きく進展した。その後、台湾全土の道路舗装計画や「十大建設」計画など大型公共工事の推進によってアスファルトコンクリートの需要は増加し、台湾の経済も道路建設の普及に伴って成長を遂げた。
アスファルト舗装は多様化し、新材料による改良のほか、▽再生アスファルト▽改質アスファルト▽透水アスファルト▽乳化アスファルト──などさまざまな性質と効果を持ったアスファルトコンクリートが開発されており、日本の産学との技術提携や交流も続けられている。
【道路工事の成敗を担うアスファルト舗装】
台湾の道路面積は約533平方キロメートルで、このうち95%以上がアスファルト舗装だ。公道や一般道路に広く使用されており、道路舗装の主流になっている。
台湾のアスファルトコンクリートの年生産量は約500万~600万トン、年生産額は80億~100億台湾元だ。近年、台湾では各級道路が飽和しつつあり、新設道路工事は大きく減少している。アスファルトコンクリートは主に道路のメンテナンスに用いられるようになり、年生産量の約70%が使用されている。
政府も道路舗装の品質と効果を重視するようになった。路面の凹凸工事だけでなく、国家発展委員会による重要公共建設計画「生活圏道路交通システム建設計画」などを推進し、道路をただ通ることができればよいものではなく、都市発展のレベルを示す重要な指標のひとつとしている。
しかしながら、一般の人はアスファルトコンクリート産業に対していわゆる3Kという印象があり、この産業を理解しておらず、また理解しようとしない。当然のように平坦で快適な道路を利用するだけで、その背後で黙々と道路建設に携わる人々のことを忘れている。その人々の権利と利益もまた、軽んじられがちだ。
アスファルト舗装は道路工事の仕上げの工程であるが、その費用は工事全体のわずか約10%で、その重要性は見落とされやすい。さらに、一般の人は道路工事の良し悪しを路面の出来栄えで判断する。アスファルト舗装の工程は重要な最後のステップであり、最も人に気づかれにくく、かつ工事の成敗を決定する重大な責任を負っているのだ。
【アスファルト産業を支える台湾区瀝青工業同業公会】
現在、台湾には北部から南部にわたって、アスファルトコンクリートの生産を手掛ける企業が142社ある。
台湾区瀝青(アスファルト)工業同業公会が設立された1980年代初め、政府機関が実施する工事入札には不合理な部分が多く、企業は1社の力で対抗することが困難だった。設立から約40年、現在同公会は台湾北区、中区、雲嘉南(雲林・嘉義・台南)、高屏(高雄・屏東)など各エリアにオフィス7カ所を構えている。
同公会は同業他社間の協力関係と産業の発展を促進するほか、台湾と海外における専門知識の吸収、技術提携、関連調査の統計と研究などを行っている。また、政府からしかるべき権利と利益を勝ち取るために会員企業をサポートし、台湾の道路建設の品質を守る黒子として活躍している。
右:台湾区瀝青(アスファルト)工業同業公会 理事長 顏寬恒氏
<台湾区瀝青工業同業公会>
住所:台北市青島東路5号6楼-1
電話:(02)2395-6668
ファックス:(02)2395-8008