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液晶テレビODM――パソコンを超える水平分業


リサーチ 台湾事情 その他 作成日:2011年8月26日

Y'sの業界レポート

液晶テレビODM――パソコンを超える水平分業

記事番号:T00032172

  「もうね、早く作るだけ。技術ねぇ…。私も技術者だから言いたかないけど、その価値は多分、パソコンなんかよりずっーと低いですよ」。先日友人を介して、大手テレビODM(設計・製造受託)企業の機構設計者に会いました。そして衝撃を受けたのが、冒頭の言葉です。

 ソニーや東芝がテレビ工場を台湾のODM企業に売却しました。ですから、相当な水平分業化が進んでいることは覚悟していました。しかし技術的な争点まで消滅してきているという指摘に、驚かされました。

 パソコンは当然ながら、多様な周辺機器やWebサービスとつながります。それでも不具合が生じないように、ODM企業はデバイスドライバなどのソフトウエアを十分にテストしてバグを追放しなければなりません。往時に比べれば減ったものの、ハードウエア部品の更新頻度も高い状態です。

 一方、テレビに搭載されるソフトウエアの規模はパソコンより格段に小さい。だからバグ・フィックスはODMの生存意義というほど重要ではありません。ハードウエア部品に関しても、1080/60pのフルHD映像の出力に対応した後は、「大して更新する必要がない。実際の業務は販売値段を下げるための外装変更ばかりだ」(前出の機構設計者)といいます。

物産“系”がトップシェア

 こうした厳しい競争環境の中、最多の生産台数を誇っているテレビODM企業が、冠捷(TPVテクノロジー)です。香港の株式市場に上場していますが、創業者は台湾人であり実質的な本社は新北市中和区にあります。意外に知られていませんが、冠捷株式の20%はキャピタルゲインを狙った三井物産によって握られています。

 もう一つ、中和区には瑞軒(アムトラン)という大手ODMも存在します。この会社は、普通のODM企業と違って特定企業と親密です。具体的には台湾人が設立したファブレスのテレビ・ベンダーである米ビジオ社製品の設計や製造を担っています。ビジオ社は北米で第2位のシェアを得ています。

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