《新型肺炎》新型コロナウイルスの 台湾バイオ医療産業への影響


リサーチ マーケティング 作成日:2020年3月26日

機械業界

《新型肺炎》新型コロナウイルスの 台湾バイオ医療産業への影響

記事番号:T00089083

一、短期的な影響

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中国の主要工場の生産再開が遅れたため、2020年上半期は一般用医薬品の原材料が供給不足となるだろう。また、中国では集団感染を防ぐために国民が外出を控えるようになっており、不要不急である美容医療の需要が大きく減少していることから、中国市場への依存度が高い台湾の関連業者は短期的に業績が落ち込むとみられる。しかし、台湾の▽バイオ食品▽漢方薬・西洋医薬品▽医療器材▽医療設備――などのメーカーは大部分の生産を台湾で行っているため、中国工場の再開遅延の影響は小さい。このほか、感染拡大の影響で消費者の健康意識が向上していることから、健康食品や医薬品の需要が大きく拡大する見込みだ。このうち、中国政府はすでにプロバイオティクスを診療項目に入れており、関連するバイオ食品メーカーの業績に追い風となることが期待される。

 現在、新型コロナウイルスは中国のほか、▽韓国▽日本▽イタリア▽イラン――などで感染が広がっており、各国が感染予防と疾患治療を急いでいる。このため、2020年上半期は海外市場で▽生理測定器材(非接触体温計や短時間の検査試剤など)▽医療用カテーテル▽ハイクラス医療用消耗材▽消炎・抗菌薬品▽各種医療補助器具――などの需要が大きく成長すると予測される。これを受けて、台湾の関連製品の出荷量も増加する見通しだ。

 

二、中長期的な影響

中国における新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着けば、台湾の漢方薬・西洋医薬品および医療用消耗品の一部メーカーが生産量を引き上げた際に深刻な原料不足が発生しないだけではなく、2020年下半期以降は中国の物流停滞が解消されて健康食品や漢方薬・西洋医薬品の需要が伸びるとみられる。このほか、各国で消費者の感染予防に対する意識が高まり、医療用消耗品と医薬品の需要も成長する見込みであることから、知名度のあるメーカーやすでに現地で販路を確立しているメーカーは有利な状況となると予測される。

 また、台湾ではバイオ製薬分野の産官学による新型コロナウイルスの感染予防と疾患治療に対する新薬および生物製剤の研究開発が進行中だ。ヒト用ワクチンメーカーの国光生物科技と高端疫苗は、台湾政府の委託を受けてワクチン開発に取り組んでいる。また、国家衛生研究院(国衛院)と中央研究院(中研院)は治療薬候補「レムデシビル」の合成に成功した。このほか、台湾の▽特殊医薬品原料▽ハイクラス医療用消耗材▽医療診断設備――などのメーカーは中国同業メーカーの生産・販売が完全に回復していないため、海外からの転注が増加して国際市場における競争力が向上するだろう。

 

三、メーカーの対策

 一般用医薬品の原料に対する需要が高い西洋医薬品メーカーは、台湾および中国以外からの原料調達を強化して供給不足を補っている。美容医療業者は、中国市場における経営戦略を拠点拡大とプロモーション強化から、製品品質とサービス内容の向上を重視する方針に切り替えた。健康食品および漢方薬・西洋医薬品メーカーは、中国のインターネットショッピングによる販路を拡大し、実店舗での販売に依存することによるリスクを軽減している。医療設備メーカーは東南アジア諸国連合(ASEAN)や東南欧州など新興市場を開拓するのと同時に、中国同業メーカーとの提携、あるいは製品品質と生産技術の向上によって中国市場における販売許可の取得を目指している。

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