ニュース 政治 作成日:2023年7月24日_記事番号:T00110152
台湾有事空襲などの緊急事態発生時に市民が対応できるよう毎年行われている防空演習「万安演習」がきょう24日から27日まで、台北市など北部7県市から順に実施されるほか、陸海空軍による合同の定例軍事演習「漢光」が24〜28日に実施される。漢光演習は、実弾を用いた中国軍の上陸阻止作戦や、桃園国際空港など民間のインフラ施設の防衛作戦などを行い、漢光演習を開始した1984年以来、過去39年で最も実践に近い演習とされる。2年連続で北部に重点を置いており、仮に両岸(中台)開戦となれば、総統が戦時に最高指揮を執る国家政軍指揮中心(台北市中山区)が狙われると想定しているようだ。24日付中国時報などが報じた。
F16Vは24日午前、漢光演習に備えて志航基地(台東市)に向かった(24日=中央社)
今年の漢光演習は、民間の重要インフラ施設の防衛が重点のため、仮に中国軍が台湾を侵攻すれば、空軍基地や軍港など軍事施設だけでなく、民間施設も防衛対象となるようだ。
25日は台東空港で、戦闘機F16Vや輸送機C130Hが離着陸を行う予定だったが、国防部は24日午後、台風5号(アジア名・トクスリ)の接近に伴い、中止したと発表した。
26日は桃園空港で初めて、約1時間の空からの上陸阻止作戦を行う。
27日には、政経中枢への侵入を阻止する「防衛トライアングル」と呼ばれる新北市八里区の▽八里海岸、▽台北港、▽淡水河口──の3カ所で、海からの上陸阻止作戦を行う。また、海底ケーブルが切断された場合の通信システム切り替えの演習なども行う。
北部には、陸軍兵士が約3万人駐在している。米軍からの武器供与で戦力強化を図るが、今年の漢光演習に、米国から新しく供与された武器はない。
国家安全会議(国安会)の顧立雄・秘書長は自由時報のインタビューで、今年の漢光演習は台湾軍の戦力や連携作戦などを確認する目的と説明した。仮に中国軍が突然、攻撃を仕掛けてきても、台湾軍の防空・海上の迎撃能力で十分対応でき、台湾海峡を越えさせないと述べた。
市民の防空訓練も
きょう24日午後、防空演習「万安演習」が北部(台北市、新北市、基隆市、桃園市、新竹市、新竹県、宜蘭県)で行われた。午後1時半に防空警報(サイレン)が鳴り響き、携帯電話に警報メッセージが送られ、走行中の車両は停止、歩行者は屋内退避を求められた。午後2時にサイレンが鳴り、終了した。
航空や鉄道、都市交通システム(MRT)は通常通り運行したが、下車しても駅から出ることはできない。新北市の淡海軽軌(ライトレール、LRT)は30分間、運行を停止した。バスやタクシーは路肩に停車し、乗客は車内で待機するか、下車して避難した。学校や会社、店、住宅などは、ドアや窓を閉め、消灯した。
万安演習は同じ時間帯に、▽25日、南部(台南市、高雄市、屏東県)、▽26日、東部(花蓮県、台東県、澎湖県、金門県、連江県)、▽27日、中部(苗栗県、台中市、彰化県、南投県、雲林県、嘉義市、嘉義県)──で行う。
万安演習で指示に従わなければ、3万〜15万台湾元(約14万〜67万円)の罰金が科される。
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