ニュース 政治 作成日:2023年12月20日_記事番号:T00112847
選挙特集 24年総統・立法委員選挙2024年1月13日投開票の総統選挙は、与党・民進党と最大野党の国民党の二大政党が接戦で、第三勢力の台湾民衆党(TPP)はどこまで食い込めるのか。
柯氏(左)と呉氏(右)(中央社)
無所属新人の台北市長
台湾民衆党の総統候補は、初代党主席の柯文哲氏(64歳)だ。
新竹県新竹市(現在の新竹市北区)で生まれた。台湾の東京大学ともいわれるトップ校、国立台湾大学医学院医学系(医学部)を卒業、博士号を取得した。台湾大学附属医院の外科医として活躍したほか、教授も務めたことから「柯P」「KP」(クーピー、Pはプロフェッサーの意)とも呼ばれる。
柯氏は2014年、無所属新人で台北市長に当選し、同年12月に就任した。国民党が強い台北市で、民進党が独自候補を立てず、柯氏を支援した。過度の中国依存を恐れた14年3月のヒマワリ学生運動の直後で、「青(国民党)か緑(民進党)か」「統一か独立か」「親中か反中か」のイデオロギーの対立に辟易した若者票を取り込むことに成功したことも勝因だ。
台北市長に再選した柯氏は19年8月、台湾民衆党を結成した。イメージカラーは「白」。20年1月の立法委員選挙では、5議席を獲得した。
二大政党に票流出か
柯氏は今年5月20日、総統選挙への出馬を表明する記者会見を開催し、青と緑のイデオロギーにとらわれた悪しき対立を終わらせ、24年を台湾の転換点にしようと訴えた。
民進党の公認候補、頼清徳・副総統が世論調査の支持率30%前後でリードを続ける中、国民党と台湾民衆党は合計すれば支持率が40%を超えるとして、10月から野党連合を模索したものの、統一候補を選出できず、破局した。
それまで柯氏の支持率は国民党の公認候補、侯友宜・新北市長を上回ることもあったが、「野党連合の決裂は柯氏のせい」というアンケート結果も出まわり、支持率は20%未満に低下し、レースから脱落したかのようだ。
最近では、無党派層のほか、20~30代の若者層の支持率が高い台湾民衆党の票を取り込めるかが、総統選挙の勝敗を分けるといわれている。

柯氏は、台北市長選挙に初出馬した14年5月にはYouTube(ユーチューブ)チャンネルを開設していた。総統選挙でも、12月7日からYouTubeチャンネルでライブ配信番組「KPTV」を開始し、公約をアピールしている。
「米中の敵ではない」
「青か緑か」の脱却を主張していた柯氏だが、12月6日、国防や外交については蔡英文・総統(民進党)の路線を維持すると明言した。その上、「内心は深緑だ」とまで発言した。後日、米国にとっても中国にとっても主要敵ではなく、受け入れ可能な選択肢だとアピールした。
柯氏は、台北市長時代(14~22年)に台北市と上海市の都市フォーラム「双城論壇」などで、中国と交流しており、当時から「両岸一家親(中台は一つの家族)」と発言している。
原発稼働を主張
蔡・政権は16年に、25年の脱原発目標を決定した。エネルギー政策が争点の一つとなる総統選挙で、国民党の侯氏や台湾民衆党の柯氏は、再稼働や運転期限延長、建設途中で廃炉が決まった第4原発の建設再開や再検討を表明した。歯切れの悪い発言しかできない民進党の賴・副総統との違いをアピールしている。
新光グループのプリンセス
副総統候補の呉欣盈(シンシア・ウー)・立法委員(45歳)は1978年、米国で生まれた。父親は、金融持ち株会社、新光金融控股の呉東進・前董事長で、祖父は新光集団の創業者、故・呉火獅氏だ。呉欣盈氏は「新光のプリンセス」といわれ、新光グループの従業員8万人の支持が期待されている。
生命保険大手の新光人寿保険の副総経理など経済界でキャリアを重ね、20年の立法委員選挙に台湾民衆党の比例代表名簿の7位に名を連ねたが、落選した。22年に10月、台湾民衆党の立法委員が辞職したことに伴い、繰り上げ当選した。
第1回 リード続く与党・民進党、頼清徳氏・蕭美琴氏
https://www.ys-consulting.com.tw/news/112624.html
第2回 政権交代目指す国民党、侯友宜氏・趙少康氏
https://www.ys-consulting.com.tw/news/112751.html
ワイズメディア 桑原佳美
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