ニュース 法律 作成日:2025年7月28日_記事番号:T00123116
知っておこう台湾法今月15日から18日にかけて、「2025年都市強靭化防空演習」(中国語名:2025城鎮韌性防空演習)(以下、単に「演習」といいます)が行われました。毎年演習後には何かと関連ニュースが出ますが、今年は、台北在住の男性(41)が警察官の説得にも応じず、防空警報が鳴り響く中あちこち歩き回った挙句、警察官に対し、「だったら、どうしろっていうんだ!?」と暴言を吐いたため、派出所に連行されたとの報道がなされました。
■演習の法律
さて、演習の法令上の根拠である民事防護法第21条は、「空襲時の被害を軽減すべく、国防部(日本の防衛省に相当)は関係機関と協力して防空演習を実施することができ、避難誘導や交通・照明・音響・その他必要な事項に関する統制を命じることができる。防空演習の実施方法については、国防部が中央所轄官庁と協議のうえ定めるものとする。」と定めています。そして、同法の下位法令である防空演習実施弁法(中国語名:防空演習實施辦法)第12条は、「防空演習実施中は、演習地区内の各級政府機関、部隊、学校、団体、会社、工場(施設)及び民衆はいずれも防空演習に協力しなければならず、また、所轄官庁および協力機関による防空演習に関する命令の指揮・訓練に従うものとする。」と規定しています。
■誘導に従って避難
具体的には、防空警報作動後、対象地区の各人は、警察官及び演習係員の指示に従い、速やかに近くの避難場所へ避難する必要があります。また、車両運転中であっても、高速道路走行中を除き、安全な場所に停車させた上で避難しなければなりません。なお、上記指示等に従わなかった場合、台湾居住者はもちろんのこと、旅行者にも例外なく3万台湾元以上、15万台湾元以下の罰金が科されます(民事防護法第25条第2号)。
「時は金なり」と言いますが、無理に外出して決して安くはない罰金を支払うよりも、可能な限り事前に予定を調整するなどして、身動きの取れない30分を有効に活用したいものです。
*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。
秋口麻貴弁護士
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