HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

第603回 30分の駐車でも強要罪が成立


ニュース 法律 作成日:2026年1月26日_記事番号:T00126578

知っておこう台湾法

第603回 30分の駐車でも強要罪が成立

2025年12月24日、高雄地方裁判所は、女性が他人の車庫の前に車を止め、その車を移動させることを拒否した事案について、刑法第304条の強要罪が成立するとの判決を下しました(高雄地方裁判所2025年度易字第384号刑事判決)。

 本事件の概要は以下のとおりです。

■車の移動を拒否

 2024年1月16日午後2時15分、女性Aは、Bの自宅の車庫の前に車を止め、電話番号を残して立ち去りました。その後、Bが外出や子供の送り迎えで車を出そうとした際に出られなくなり、直ちにAに電話して移動するよう要求しました。Aは同日午後2時31分に現場に戻ってきたものの、車を移動させることを拒否し、警察が到着した後もなお拒否を続け、最終的にAの夫Cが同日午後2時49分に車を移動させました。

 刑法第304条第1項では、「暴力、脅迫により人に義務のないことを行わせ、または権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役、拘留または9000台湾元以下の罰金に処する」旨が規定されています。

■通行を妨害

 裁判所は、以下のとおり指摘し、本件では刑法第304条の強要罪が成立するとして、Aを拘留30日(罰金に換算可能)に処すとの判決を言い渡しました。

・AがBの私有の車庫の前に車を止めた行為は、すでにBの通行を妨害しており、Bが電話で連絡して移動を要求したことで、Aは当該場所に車を止めることがBの通行権を侵害することを認識していた。

・Aは、刑法第15条第2項の規定により、上記結果の発生を防止する義務があったにもかかわらず、車を移動させることを拒否し、Bが正常に通行できないという結果が発生した。

・Aの移動拒否という不作為により、暴力的手段による通行権妨害の主観的犯意を達成したものと認められる。

 台湾では私有地や店の前に「請勿停車」(日本語:車を止めないで下さい)と書かれていることがよくあります。刑事事件に発展することを避けるため、このような場所には車を止めず、また、気付かずに止めてしまった場合に移動を要求されたらすぐに応じることをお勧めします。

 

*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。

福田優二弁護士

福田優二弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

大学時代に旅行で訪れて以来、台湾に興味を持ち、台湾に関連する仕事を希望するに至る。 司法修習修了後、高雄市にて短期語学留学。2017年5月より台湾に駐在。 クライアントに最良のリーガルサービスを提供するため、台湾法および台湾ビジネスに熟練すべく日々研鑽を積んでいる。

知っておこう台湾法