ニュース 法律 作成日:2025年12月22日_記事番号:T00126030
知っておこう台湾法2025年11月26日、台湾屏東地方裁判所は、タイワンツキノワグマ等の野生動物を捕獲・駆除したとして9人の原住民が野生動物保育法違反の罪に問われていた事件(2023年度原訴字第20号)について、無罪を言い渡しました。
概要は以下のとおりです。
■原住民による捕獲・駆除
被告人9人はいずれも原住民であり、2022年10月から12月にかけて、屏東県霧台郷内で、散弾銃による射撃等の方法で、タイワンツキノワグマ等の野生動物を捕獲・駆除しました。
タイワンツキノワグマは野生動物保育法第4条第1項第1号の保育類に指定されており、同法第18条第1項によりその捕獲・駆除が禁止されています。
なお、同法第21条の1により、原住民が伝統文化や祭儀のために野生動物を捕獲・駆除する場合は刑罰が免除されますが、本件の捕獲・駆除行為は伝統文化や祭儀のために行われたものではありませんでした。
このため、被告人9人は同法違反で起訴されました。
しかし、2025年2月18日、野生動物保育法が改正され、刑罰の免除事由を定めた第21条の1に「非営利で個人用」という文言が追加され、この場合にも刑罰が免除されることになりました。
本件において、裁判所は、本件の捕獲・駆除行為はいずれも非営利で個人用に行われたものであること等を認定し、タイワンツキノワグマ等の野生動物の捕獲・駆除行為について無罪を言い渡しました。
■伝統とのバランス
なお、原住民であれば、伝統文化、祭儀または非営利で個人用に野生動物を自由に捕獲・駆除できるわけではなく、野生動物保育法第51条の1により、刑罰に代えて過料を科される可能性があります(保育類野生動物の場合:2万台湾元以上10万元以下、一般類野生動物の場合:1000元以上1万元以下)。
ただし、同条には、初めての違反の場合には処罰しない旨が明記されており、過料が科されるのは2回目以降の違反に限られます。
野生動物保育法のこのような規定は、原住民の伝統・文化の尊重と野生動物保護とのバランスをとる上で重要であると考えます。
*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。
福田優二弁護士
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