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【ワイズリサーチ】企業紹介 ー 喬福機械工業(ラウンドトップ・マシナリー)


リサーチ 台湾事情 その他 作成日:2014年4月10日

機械業界 電機機械

【ワイズリサーチ】企業紹介 ー 喬福機械工業(ラウンドトップ・マシナリー)

記事番号:T00062611

一.基本紹介

 喬福機械工業(ラウンドトップ・マシナリー)は1984年に台中に設立された台湾中大型工作機械メーカーであり、その主要業務は自社ブランドである「ラウンドトップ・マシナリー」を通じて、マシニングセンタと旋盤を製造し販売することである。同社の製品種類は図1に示されている通り、その主力製品は主に大型カスタマイズ工作機械であり、航空産業、国防産業、重工業、鉱業に広く使われている。なお、同社は▽VIT門形フライス盤▽門形統合自動工具交換装置▽フォーク式2軸NCフライスヘッド▽FBMC大型静水圧回転テーブル(90トン型)——などの製品開発と技術強化を図り、2013年には約6,000万台湾元の研究開発費を投入している。



二.開発方向

▽高速切削
 高速切削の開発は主に硬鋼の切削加工と軽金属の超高速フライス加工に分けられる。硬鋼の切削加工は、モジュール開発によるニーズに応じて、高速切削と超硬切削ともに低コストで高性能を目指す技術を開発し、形鋼と硬度がHRC50以上のステンレス鋼を鏡面仕上げする高速切削することである。軽金属の超高速フライス加工の方向は、輸送機器の部品とIT製品のカバーに使うアルミマグネシウム合金を切削することである。

▽複合化
 機械と部品の機能を向上させ、小型化にする際、その部品は小型化によって複雑になるため、多くの製造プロセスを通し、加工が必要となっている。今後は時間を節約し、精度を確保することを図り、多くの製造プロセスが一つの機械で加工できるようにし、生産効率を高めるようにする。

▽IT技術
 インターネットが急進化している現在、▽設計▽生産▽データベース——などの資料はインターネットを通じて管理サーバーに繋げれば、セーブ&ロードは加速され、効率と品質の向上にも繋がり、工作機械はさらにインテリジェント化させることができる。IT技術とフレキシブル生産システムを採用した工場、遠隔メンテナンスシステム、機械故障記録システムなどが例である。

▽環境保護
 ISO14000基準により、乾式機械加工を開発するほか、環境汚染を防ぐために、冷却剤と潤滑剤を使用しないようにする。また、地球資源の保護が重視されるようになったのに伴い、工作機械業界も▽廃棄物の処理▽切削油、研削油、潤滑剤の減少▽振動、騒音、電磁波の抑制▽エネルギーの節約——を含む環境保護技術を取り入れるようにしている。

三.市場概況

 喬福機械工業の製品はほとんど輸出されており、国内販売は4%ほどである。


 同社の主力製品はCNC旋盤とマシニングセンタであり、そして2012年における台湾工作機械業界および同社のCNC旋盤とマシニングセンタの輸出額比は表2に示されている。

 最近の二年間に、喬福機械工業の主要仕入れ先は台湾ファナックと大詠城機械であり、主要販売先はAMT1KIKAIである(表3・表4参照)。



 また、この二年間で、同社の生産額はあがっているが、生産能力と生産量が下がっている。

四.会社分析

▽比較優位
1.垂直分業システム
 鋳造加工から部品製造まで、喬福機械工業は長期協力者であるため、迅速な調達と高効率のフレキシブル製造ができる。

2.独特な製造プロセス
 喬福機械工業は製品のカスタマイズと多種少量生産を行っているほか、優秀なエンジニアによる▽シンプルで迅速な製造プロセスの変更▽柔軟な製造プロセスの管理▽即刻な生産支援——を含む製造プロセスの改善は、同社の生産能力を強化している。また、出荷の加速と品質の安定を維持するよう、生産ラインで使用する新たな製造プロセスも開発している。

3.ISO認証とCEマークを取得
 喬福機械工業は1995年にISO認証を取得したため、その製品は世界市場においても競争優位性を持っている。また、EU(欧州連合)に輸入する際に満たさなければいけない厳しい安全基準があり、同社の製品は全てその基準に満たしているという証明であるCEマークを取得しているため、顧客から高い信頼を得ている。

4.技術の研究開発
 喬福機械工業が日本製品とドイツ製品の代替製品になるよう、高付加価値製品の開発に注力し、研究開発の人材を育成している。また、同社は技術の向上及び製品の競争力を強化するよう、製品の▽高速化▽高精度化▽自動化——を目標に開発を進めているため、欧米市場でかなり人気を得ている。

▽比較劣位
1.為替差損のリスク
 喬福機械工業は輸出指向の会社であり、一部のキーコンポーネントも輸入品に頼っているため、為替レートの変動は直接製品に影響を与える。

2.輸入品であるキーコンポーネント
 工作機械に使う数値制御装置などハイテクのキーコンポーネントは、輸入品であるほか、コストが高い。

3.低価格競争
 台湾には工作機械メーカーが多いため、各企業は価格を下げて受注を取得する傾向がある。従って、工作機械の製品価格が低くなり、収益の安定性も低下している。

4.原材料価格の増加
 原材料価格が年々上昇しているため、生産コストが変動して、売上と市場の開拓に不利に働く。

▽対策
 今後、喬福機械工業の目標は、製品の競争力向上とコストの低減、利益の創出である。具体的に言うと、輸出に関しては、為替変動の対策としてリスクヘッジを行い、輸入に関しては、為替差損を避けるようにし、台湾国内に拠点を設置した日本/ドイツ部品メーカーから調達を行う。また、キーコンポーネントに関しては、仕入れ先を増やすほか、部品の共通性の強化と調達コストの削減を図り、部品のモジュール化を行う。その他、管理ミスによる損失を回避するよう、原材料の調達を統合する。激しい市場競争に対応し、同社は製品の差別化を確立するよう、技術力の向上と高付加価値製品の開発を続けている。

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