ニュース 政治 作成日:2023年6月14日_記事番号:T00109492
台湾有事国防部は13日、軍事的な危機や災害が発生した際に市民がどう対応すべきか示したハンドブック「全民国防応変手冊」を発表した。全47ページと、昨年4月に発表したハンドブックのひな形と比べ、ページ数が倍増した。災害への備えを示す「平時準備」と、有事が発生した場合の対応方法を示す「戦時応変」に分かれ、有事の対応には、フェイクニュースを見分け、正確な情報を把握する方法や、敵と味方の識別方法として台湾軍と人民解放軍の見分け方などの内容が新たに追加された。14日付聯合報などが報じた。
ハンドブックには、人民解放軍の夏冬や環境ごとの制服が示されている(全民国防応変手冊より)
台湾軍と人民解放軍の見分け方には、イラストと写真で、両軍の兵士の制服や紋章などの特徴が示されているほか、台湾の警察官や救助隊員などの制服が紹介されている。
このほか新たに追加されたのは、▽通信電波が遮断された場合の対処法、▽負傷した際の応急手当て、▽化学物質や放射線による災害時の対処法──など。
有事の対応には、▽有事で想定される状況、▽緊急避難、▽停電・断水への対応、▽爆発物やミサイル、武装した敵などへの対処、▽緊急ホットライン──などが含まれる。
今後、英語版もリリースする予定だ。
国防部全民防衛動員署の沈威志・物力動員処長は、防空避難所や救急医療機関、民生品の販売場所、収容安置所などをスマートフォンのアプリで確認できるようにしたと説明した。
避難所8.9万カ所の収容力に疑問
今回発表したハンドブックには、防空避難所としてビルの地下室や地下駐車場など、台湾全土の8万9405カ所の避難所が示されている。蔡適応・立法委員(民進党)は、多くは一般的な地下室で、設定されているほど大人数を収容できず、換気設備も整っていないと指摘し、内政部警政署に見直しを訴えた。
このほか、断水時に貯水を濾過(ろか)して使用することや、停電時に備えて太陽光発電設備を準備するなどの対策について、一般家庭では困難などと指摘されている。
またハンドブックに、URLやQRコードを読み取って情報を取得する方法が多用されていることについて、有事でインターネットが遮断されたらどうするのかという疑問の声も上がった。
防空避難所のサインと避難所情報が受け取れるアプリのQRコード(全民国防応変手冊より)
通信遮断に懸念
軍事業界誌『全球防衛雑誌(ディフェンス・インターナショナル)』の宋玉寧・編集主任は、ネットでの検索やダウンロードが多く、高齢者を考慮していないと述べた。また、各種対応ホットラインを設けているものの、有事で停電したり、通信基地局が破壊されたりした場合が考えられていないと指摘した。
有事のネット接続について、通信・放送事業の独立監督機関、国家通訊伝播委員会(NCC)は、海底ケーブルや衛生通信、通信事業者間の災害ローミングサービスなどを使用できると説明した。
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