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《台湾有事》中国軍が高雄沖に射撃訓練域、貨物船拿捕に反発か(トップニュース)/台湾


ニュース 政治 作成日:2025年2月27日_記事番号:T00120304

台湾有事

《台湾有事》中国軍が高雄沖に射撃訓練域、貨物船拿捕に反発か(トップニュース)/台湾

 国防部は26日、中国軍が予告なしに、高雄市と屏東県の沖合40カイリ(約74キロメートル)に射撃訓練を行う演習区域を設定したと説明し、国際慣例違反だと批判した。台湾の海洋委員会(海委会)海巡署(海上保安庁に相当)が25日、台湾本島と澎湖諸島を結ぶ海底ケーブルを損傷したとして、台南市沖の海域に停泊していた貨物船「宏泰」を拿捕(だほ)し、中国人8人を連行しており、それに反発した対抗措置の可能性がある。

/date/2025/02/27/17hongtai_2.jpg海底ケーブルを損傷したとして、拿捕されて安平港(台南市)に運ばれる貨物船「宏泰」(25日=中央社)

■複数の船名使い分け

 海巡署の調べによると、貨物船はトーゴ船籍で、船体の側面に「宏泰168」と記されていたが、船舶自動識別装置(AIS)上では「宏泰58」と表示されていた。拿捕後の捜査で船尾には「善美7」と書かれていたことも判明した。海巡署は25日、複数の船名を使い分けていたとして、ケーブル損傷が、武力攻撃と判断しにくい手段で圧力を加えるグレーゾーン作戦の可能性を排除しないと指摘した。

 台湾台南地方検察署(地検)は26日、船長については重大な容疑で逃亡や証拠隠滅の恐れもあるとして勾留を請求し、残りの7人は出境を制限し居住監視の状態に置いて、引き続き捜査している。

 中国で対台湾政策を担う中国国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮・報道官は26日午後の定例記者会見で、「海底ケーブルの損傷事故は世界で毎年100件以上起きており、よくある海上事故だ。民進党当局は事実や事故責任がまだ分からない状況で、意図的に誇張し政治的に操っている」と批判した。

 中国外交部は26日の定例記者会見で、「外交問題ではない」とのみコメントした。

■地域の平和に最大の脅威

 一方、台湾国防部は、中国軍の射撃訓練区域の設定について、航空機や船舶の航行の安全に重大な危険をもたらすだけでなく、地域の安全保障と安定に対する公然の挑発だと批判。中国の行為は、相互尊重と繁栄の共同構築などを目指す平和共存の原則に完全に背くものだと強調した。

 屏東沿岸の漁民からは「中国の横暴な行為は漁労作業の安全を無視し、人命を軽視するものだ」と強い不満の声が上がっている。

 中国軍は最近、ベトナムやオーストラリアの沖合で射撃訓練を行ったほか、フィリピンに対しても軍事的な威嚇を行っており、台湾国防部は「中国はインド太平洋地域の平和と安定にとって唯一最大の脅威だ」と指摘した。

 国防安全研究院国家安全研究所の沈明室・研究員は自由時報の取材に対し「中国軍が予告なしに射撃訓練の実施を発表したことは、極めて強い対抗措置だ。台湾側が海底ケーブルを損傷したとして貨物船を取り締まった直後であり、射撃訓練は中国船舶の巡回警備を口実にした強硬な対応だ」と分析した。

 

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