第7回 在台日系企業の法律事務所利用状況


ニュース 法律 作成日:2012年6月25日

台湾法律事務所特集

第7回 在台日系企業の法律事務所利用状況

記事番号:T00037855

 ワイズコンサルティングは今年4月、在台日系企業の弁護士事務所の利用状況について、アンケート調査を実施し、106社から回答を得た。

 日系企業から「弁護士事務所は敷居が高くてなかなか利用しにくい…」、「依頼するにしてもどの事務所を使えばいいのか…」といった声を聞くことは少なくないが、調査結果によると、過去3年以内に弁護士事務所を利用したことがある企業は6割近くに上り、身近な存在と言えることが分かった。

大規模企業はサービスを複数利用

 規模の大きい企業ほど利用割合が高く(図1)、従業員数100人超の企業では8割以上が利用している。企業規模が大きくなるほど法令関係でトラブルが発生する割合が高くなり、また、コンプライアンスを重視する傾向も強まるため、弁護士事務所の利用率が高くなるとみられる。

 また、従業員100人超の企業では、弁護士事務所のサービスを複数利用する傾向が見られた。利用目的のトップ3は「法律相談」、「契約書のチェック・作成」、「争議」で(図2)、100人超の弁護士事務所利用企業のうち、5割以上がそれぞれのサービスを利用しており、普段より弁護士事務所を利用している傾向にあるもようだ。

小規模企業は相談中心

 一方、従業員30人以下の規模の小さい企業では、弁護士事務所の利用率が4割弱に低下し、主に法律相談に利用している傾向がみられた。本調査によると法律相談の内容は全体的に労務関連が多い。規模が小さい企業の場合、労使関係を比較的コントロールしやすいため、争議までには至らず、法律相談で問題が解決するのだろう。

 利用案件の3位の「争議」は、特許紛争や契約違反などビジネス関連案件、人事労務関連などが多くを占める。台湾では人事労務だけを見ても、毎年日本の40倍近くの争議が発生しており、日系企業も例外でないとみられる。

大手事務所に信頼感

 日系企業が利用する弁護士事務所は、大手事務所が多数を占めた(図3)。大手であることの安心感や、日本語で相談できることが主な要因と考えられる。特に萬國法律事務所は、台北市日本工商会での無料法律相談サービスなどによって、知名度が高いことが利用につながっている。一方、寰瀛法律事務所(フォルモサンブラザーズ)や理律法律事務所(Lee&Li)は、日本語の専門チームを設置しており、迅速な対応・専門性が評価され、利用満足度も高い結果となっている。

 なお、進出地の地元事務所を利用する企業も多く、大手の弁護士事務所以外では利用にばらつきが見られた。

 

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