第4回 萬國法律事務所 「日系企業にとっての最大手」


ニュース 法律 作成日:2012年6月4日

台湾法律事務所特集

第4回 萬國法律事務所 「日系企業にとっての最大手」

記事番号:T00037464

 萬國法律事務所は1974年設立、90人の弁護士が所属する台湾2位の法律事務所だ。ただ、日本語で対応可能な弁護士は15人と台湾最多で、扱う案件の約半数が日本関連のため、日系企業にとっては同社が事実上の台湾最大手と言える。日本語ができる弁護士のうち半数以上が日本の大学院で修士課程以上を修了しており、「全員がネイティブ並みに話せる」と許懐儷パートナー弁護士は強みを語った。


左から鍾文岳弁護士、許懐儷弁護士、黄三栄弁護士。いずれも日本関連業務のエキスパートだ(YSN)

 萬國は創立者の一人で、現職の司法院長である頼浩敏氏が文部省の奨学金で東京大学大学院に留学した経歴を持つことから、設立当初より日本との関係が深い。台北市日本工商会の顧問弁護士事務所を務める台湾唯一の弁護士事務所で、期間は30年以上にも及ぶ。知的財産権や商標、企業の合併・買収(M&A)、投資関連、企業紛争、労務などあらゆる分野で顧客サポートが可能だ。

 日系企業から同社に寄せられる声について鍾文岳パートナー弁護士は、「『非常に専門的で、依頼をすれば必ず目的を達成できる』といったものが多い」と説明した。それを可能にしているのは、個々の弁護士の能力の高さだ。日本語対応が可能な弁護士は少なく、どの事務所も採用に頭を痛めている。その中で萬國は日系企業にとっての最大手であるため、日本語スキルを持つ弁護士が希望して入社してくる。小規模な事務所であれば日本関連業務は全体の1~2割だが、萬國であれば8~9割となるのは魅力だ。そして大手事務所ならではの大型かつ複雑な案件に取り組むため、力量が向上する好循環に恵まれているのだ。

日本人スペシャリストがサポート

 萬國には、日系企業からの信頼感をより深める役割を果たしている日本人リーガルスタッフが2人いる。村永史郎氏と大成権真弓氏の2人で、村永氏は台湾大法学修士卒、大成権氏は米ペンシルベニア大法学修士卒のスペシャリストで、いずれも萬國で10年以上のキャリアを持つ。日系企業向けsの法律ドキュメントの完成度を高める彼らの貢献は小さくない。

日系企業に無料法律相談

 同社は「正義を心に、法治を実践し、社会に尽くす」を事業モットーとしており、公益重視の姿勢は、4年ほど前より日本工商会の会員企業を対象とした、毎月1回の無料法律相談に取り組んでいることにも表れている。ちなみに、鍾弁護士も許弁護士も、かつて交流協会の奨学金によって、京都大学大学院、一橋大学大学院で学位を取った。両弁護士が「恩返しの意味で、日系企業のサポートを全力でしなければならないと常に思っている」と語った言葉に心強さを感じた。 

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