第6回 黒田法律事務所 「日系ならではの対応力」


ニュース 法律 作成日:2012年6月18日

台湾法律事務所特集

第6回 黒田法律事務所 「日系ならではの対応力」

記事番号:T00037731

 東証一部上場企業約1,700社が優れた弁護士を評価する日経ビジネスの「ビジネス弁護士ランキング」で、黒田法律事務所の黒田健二代表弁護士は、2010年、11年と2年連続で国際関係部門の上位にランクインした。同事務所は09年に台湾に進出し、唯一の日系弁護士事務所であるメリットを生かしてクライアントの信頼を高めている。


黒田健二代表弁護士

 黒田法律事務所は1995年、東京で創業。中国法務に強く、04年の上海事務所を皮切りに、05年北京、07年広州と拠点網を広げて、中国進出企業のサポートを数多く手がけてきた。台湾への進出を決めたのは、中国案件に取り組む中で、商事仲裁や特許侵害など日台の企業間の紛争案件に対応する機会が増えたためだ。台北市信義区に位置する台湾事務所では現在、黒田弁護士が毎月出張ベースで対応しているほか、台湾人弁護士2人が常駐している。現在では同事務所の扱う案件のうち、中国関連が全体の約5割を、台湾案件は2割を占めるに至っており、「ここまで多くの台湾案件を扱う日本の法律事務所は他にない」と黒田弁護士は胸を張る。

日台の違いを熟知

 同事務所の台湾での強みは、何と言っても日本の法律事務所であるという点にある。クライアントが刑事事件に巻き込まれた場合、日本と台湾の法律の違い、捜査・司法機関による事件の処理の違い、台湾の「落とし穴」はどこにあるかを熟知しているため、より適切な対応方法をアドバイスできる。

 以前、ある日台合弁企業の台湾人総経理が会社の金を横領・流用するという事件が起こり、台湾の地場法律事務所が刑事自訴したものの、立証に失敗し無罪となってしまった。しかし黒田法律事務所は日系ならでは緻密さで同総経理による別の犯罪事実について丹念な証拠の収集・分析、捜査への協力を行い、刑事起訴事件で有罪判決に持ち込んでいる。日系企業の本社が「台湾地場の法律事務所の弁護方針と準備で本当に大丈夫か」と考えるケースは少なくなく、最近では黒田法律事務所に依頼を一本化する例が増えてきているという。

 また、東京に事務所を置いているため、契約書の作成から案件の戦略会議まで、東京に居ながらにして台湾の案件に対応できることは日系企業にとって大きな魅力だ。同事務所は台北、東京を含む5拠点をテレビ会議システムで結び、海外のクライアントとの瞬時の意思疎通・決定を可能にしている。

「365日働く」

 現在、台湾の各大手法律事務所は中国拠点を持っていないが、黒田法律事務所は中国で豊富な実績を持つ。このため、中国ビジネスにかかわる在台日系企業に対し、中国と台湾の法律の違いを詳しく説明しつつアドバイスを提供できることも同事務所ならではの強みだ。日本、台湾、中国の法律を知悉していることは、台湾企業と提携して中国でビジネスを展開するタイプの日系企業にとっては頼もしい。

 黒田弁護士は1年365日常に働くことをモットーとしている。「在台日系企業のご依頼があれば、少しでも迅速にサービスを提供したい」との熱意とハードワークに、日系企業が高い評価を与えるのは当然と言える。 

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