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第2回 常在国際法律事務所「フレキシブル対応で問題解決」


ニュース 法律 作成日:2012年5月21日_記事番号:T00037196

台湾法律事務所特集

第2回 常在国際法律事務所「フレキシブル対応で問題解決」

 常在国際法律事務所は、1965年設立、弁護士50人を抱える大手総合法律事務所で、ビジネス関連に特に強みを持つ。日本語で対応可能な弁護士は8人だ。


左から日本語チームの張家瑜氏、荘月清氏、張淑芬氏。張家瑜氏は一橋大、張淑芬氏は京大の大学院に学んだ才媛だ(YSN)

 大手事務所が案件を受ける場合、その依頼内容に応じて担当部門が対応するのが通例だが、常在国際は部門を明確に分けず、個別のケースごとに弁護士のチームを組むことに特徴がある。「すべての分野を知り、かつ得意分野を持つ」弁護士をそろえた同社ならでは手法だ。台湾に進出する日系企業は、投資関連法務のほか、知的財産や商標、労務などさまざまな問題に行き当たる。「部門別の場合、対応窓口が複数になって混乱したり、クライアントの他のニーズに気付かないかもしれない。弊社の手法であればこそ、一つの窓口で最初から最後まで対応することができる」と同社日本語チームの張家瑜弁護士は語る。

 一つの案件に弁護士2~3人のチームで対応することが多く、大型案件になると10人以上の規模になるケースもある。柔軟性のある一貫サービスは「対応が速い」など、顧客の好評を得ている。

 「クライアントにとって、困難な問題が起きた時に解決できることが最も重要で、そこが常在国際の最大の強み」と語るのは、荘月清シニアカウンセラーだ。以前、別の法律事務所の顧客だった日系企業が、薬品を輸入する際、誤って認可期間をオーバーしてしまったことがあった。対応を依頼された常在国際は、行政院衛生署に対し企業側に悪意がなかったことや、過去の実績などを強調。交渉の結果、処分なしで期間延長が認められたのだった。歴史が長く人脈が豊富なため、行政機関との交渉力が優れており、この点も日系企業の高い評価を得ている。

技術に明るい特許部門

 特許部門は、日本語ができる技術畑出身のパテントエンジニアを抱える強みを持つ。日系企業が経済部智慧財産局に特許を出願する場合、日本語の特許明細書を中国語に翻訳して提出する必要がある。どのような技術が特許に当たるのかの表記で誤訳があったり、訳が不十分だった場合、特許訴訟の対象となった際に損害を被る恐れがある。この点で、技術への正確な理解の下で作成される同社の特許明細書は「クライアントの権益を守れる」と評判だ。パテントエンジニアで特許部日本語グループのチームリーダーの林聖剛氏は、「特許訴訟の場合は、技術と法律のコラボレーションが不可欠だ」と強調した。

「知日志向」で信頼

 同社の各部門傘下の日本語チームは、常に日本の最も新しい法学の知識を学習し、毎週月曜日に勉強会を開催して、法律をはじめ日本の企業や経済、政治の動きについて情報交換を行っている。日本の法律や社会、文化を深く知ってこそ、日系企業により良いサービスを提供できるという発想だ。 

 「台湾の法律はいわば中華料理。それを和食のように出す」(荘月清氏)というのが常在国際の極意だ。言語と文化の壁を感じさせない手厚いサービスは、これからも日系企業の支持を集めるに違いない。 

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