ニュース 法律 作成日:2015年9月7日_記事番号:T00059136
知っておこう台湾法近年、台湾不動産市場の低迷から、台湾では海外不動産への投資を考える人が増加してきている。このような状況の中、内政部は8月12日に、不動産仲介業者による海外不動産の仲介業務に関する規制について、以下の通り示した。
不実広告に罰金も
1.不動産仲介業者が海外不動産の販売広告や投資説明会を次々に繰り広げ、一般市民に海外不動産を販売していることについて、不動産仲介業者が海外の不動産仲介業務に従事する場合は、不動産仲介業管理条例、消費者保護法および公正取引法などの関連規定に厳密に従って、一般市民に対して正確かつ十分な情報を提供しなければならない。
2.消費者の権利を保護するため、広告において虚偽または不実の説明があった場合には、公平取引法第42条に基づき、主管機関は期限を定めて当該説明を停止、是正しまたは必要な是正措置を取るよう命じることができ、かつ5万台湾元以上、2,500万元以下の罰金に処することができる。
3.台湾人が不動産仲介業者を通じて海外不動産を購入する際に紛争が生じた場合は、不動産仲介業者の所在する地方政府に個別の案件の具体的な資料を添付して調査および処理してもらうことができ、さらに、消費者サービスセンター、消費者保護担当官に訴えることができる他、地方の消費者調停委員会に対して調停を申し立てることも可能である。
4.国際消費紛争に関わる場合、消費者は行政院の消費者保護処ウェブサイトにおいてオンライン上で申し立てを行い、案件の申し立てを受けた関連部署は、個別の案件のケースに応じて外交部に移送し駐外台湾組織に協力してもらうことが可能である。
地方政府が現況調査
なお、内政部は、不動産仲介業者が海外不動産に対して誇大広告を行ったり誤った情報により消費者を誤導することを防ぐため、地方政府に不動産仲介業者による海外不動産の仲介業務の現況について調査を行わせ、台湾の消費者の権利を保護すると強調した。
内政部から、上記のような通達が出たことから、海外不動産の仲介に関する業務を行っている企業は、関連法規の順守について、以前にも増して注意する必要がある。
コラム執筆者
黒田法律事務所 尾上由紀弁護士
早稲田大学法学部卒業。2007年黒田法律事務所に入所後、企業買収、資本・業務提携に関する業務、海外取引に関する業務、労務等の一般企業法務を中心として、幅広い案件を手掛ける。主な取扱案件には、海外メーカーによる日本メーカーの買収案件、日本の情報通信会社による海外の情報通信会社への投資案件、国内企業の買収案件等がある。台湾案件についても多くの実務経験を持ち、日本企業と台湾企業間の買収、資本・業務提携等の案件で、日本企業のアドバイザー、代理人として携わった。クライアントへ最良のサービスを提供するため、これらの業務だけでなく他の分野の業務にも積極的に取り組むべく、日々研鑽を積んでいる。
黒田法律事務所・黒田特許事務所
1995年に設立、現在日本、台湾、中国の3カ所に拠点を持ち、中国法務に強い。 現在、13名の弁護士、6名の中国弁護士、2名の台湾弁護士、1名の米国弁護士及び代表弁護士を含む2名の弁理士が在籍しており、執務体制も厚い。
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