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第111回 販促用の贈答品またはくじ引きの景品の金額制限について


ニュース 法律 作成日:2015年8月31日_記事番号:T00058998

知っておこう台湾法

第111回 販促用の贈答品またはくじ引きの景品の金額制限について

 消費者の購買意欲を高めるため、実務上、少なからぬ事業者が商品または役務の販売時に贈答品を贈呈したり、くじ引きイベントを実施するが、台湾法では、贈答品およびくじ引きの景品について一定の金額制限がある。2013年、台北101ビルのショッピングモールで行われたくじ引きイベントでは、3,000台湾元以上の消費を参加条件として、アウディの乗用車が景品になった。当時、公正取引委員会は、当該アウディの乗用車の価値(約289万元)は許可されている景品金額の法定上限(13年当時の法定上限は225万3,600元)を超えていると判断し、台北101に対し10万元の罰金を科した。

 販促用の贈答品またはくじ引きの景品の金額制限については、現行の「事業者贈答品・景品提供額規則(以下『本規則』という)」において規定されている。主な規定は以下の通りである。

1)贈答品の上限金額については、本規則第4条によれば、商品または役務の価値が100元以上である場合、商品または役務の価値の2分の1とする。商品または役務の価値が100元未満の場合は、50元とする。

2)くじ引きイベントの景品1点の上限金額については、本規則第6条によれば、事業者がくじ引きを行う場合、その1等賞の金額は、500万元を超えてはならない。

3)くじ引きイベントの全景品の上限金額については、本規則第5条の規定によれば、事業者がくじ引きを行う場合、その年間景品総額の上限は以下の通りである。

(1)前会計年度の売上高が30億元以上である場合、6億元とする。

(2)前会計年度の売上高が7億5,000万元を超え、30億元未満である場合、売上高の5分の1とする。

(3)前会計年度の売上高が7億5,000万元以下である場合、1億5,000万元とする。

 本規則の規定に違反した場合、公正取引法第42条に基づき、事業者は5万元以上、2,500万元以下の罰金を科されるので、特にご注意いただきたい。

 

蘇逸修弁護士

蘇逸修弁護士

黒田日本外国法事務律師事務所

台湾大学法律学科、同大学院修士課程法律学科を卒業後、法務部調査局に入局。板橋地方検察署で、検事として犯罪調査課、法廷訴訟課、刑事執行課などの業務を歴任。2011年より黒田法律事務所にて弁護士として活躍中。

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